導師導古典を学びたいすべての人に

礼記 / 大伝

君有合族之道,族人不得以其戚戚君,位也。 庶子不祭,明其宗也。庶子不得為長子三年,不繼祖也。 別子為祖,繼別為宗,繼禰者為小宗。有百世不遷之宗,有五世則遷之宗。百世不遷者,別子之後也;宗其繼別子者,百世不遷者也。宗其繼高祖者,五世則遷者也。尊祖故敬宗。敬宗,尊祖之義也。有小宗而無大宗者,有大宗而無小宗者,有無宗亦莫之宗者,公子是也。公子有宗道:公子之公,為其士大夫之庶者,宗其士大夫之適者,公子之宗道也。絕族無移服,親者屬也。自仁率親,等而上之,至于祖;自義率祖,順而下之,至於禰。

新字:君有合族之道,族人不得以其戚戚君,位也。 庶子不祭,明其宗也。庶子不得為長子三年,不継祖也。 別子為祖,継別為宗,継祢者為小宗。有百世不遷之宗,有五世則遷之宗。百世不遷者,別子之後也;宗其継別子者,百世不遷者也。宗其継高祖者,五世則遷者也。尊祖故敬宗。敬宗,尊祖之義也。有小宗而無大宗者,有大宗而無小宗者,有無宗亦莫之宗者,公子是也。公子有宗道:公子之公,為其士大夫之庶者,宗其士大夫之適者,公子之宗道也。絶族無移服,親者属也。自仁率親,等而上之,至于祖;自義率祖,順而下之,至於祢。

書き下し

君には族を合するの道有れども、族人は其の戚(せき)を以て君を戚とすることを得ず、位なり。 庶子の祭らざるは、其の宗を明らかにするなり。庶子の長子の為に三年することを得ざるは、祖を継がざればなり。 別子を祖と為し、別を継ぐを宗と為し、禰を継ぐ者を小宗と為す。百世遷らざるの宗有り、五世にして則ち遷るの宗有り。百世遷らざる者は、別子の後なり。其の別子を継ぐ者を宗とするは、百世遷らざる者なり。其の高祖を継ぐ者を宗とするは、五世にして則ち遷る者なり。祖を尊ぶが故に宗を敬す。宗を敬するは、祖を尊ぶの義なり。小宗有りて大宗無き者有り、大宗有りて小宗無き者有り、宗無く亦之を宗とする莫き者有り、公子是れなり。公子に宗道有り。公子の公、其の士大夫の庶者の為に、其の士大夫の適者を宗とせしむるは、公子の宗道なり。絶族には移服無し、親しき者は属するなり。仁より親を率え、等して之を上し、祖に至る。義より祖を率え、順いて之を下し、禰に至る。

現代語訳

君には一族を集めて食事をともにする道があるが、一族の者は、血縁を理由に君を親族として馴れ親しむことは許されない。君の位があるからである。 庶子が祖先を祭らないのは、祭祀を継ぐ宗子が誰であるかを明らかにするためである。庶子が自分の長子のために三年の喪に服することができないのは、自分が祖の跡を継いでいないからである。 諸侯の庶子で分家した別子(べっし)はその家の祖となり、別子を継ぐ嫡流が大宗となり、父を継ぐ者が小宗となる。百代たっても移らない宗があり、五代で移る宗がある。百代移らない宗とは、別子の後継ぎの家である。別子を継ぐ者を宗家として仰ぐのが、百代移らない宗である。高祖を継ぐ者を宗家として仰ぐのが、五代で移る宗である。祖を尊ぶから宗子を敬う。宗子を敬うことは、祖を尊ぶことの意味にかなう。小宗はあるが大宗のない者、大宗はあるが小宗のない者、自分に仰ぐ宗もなく自分を宗と仰ぐ者もない者がある。君の子である公子がそれである。公子にも宗の道がある。君である公子の兄弟が、士大夫となった公子たちのうち庶の者に命じ、嫡の者を宗として仰がせる。これが公子の宗の道である。親族関係が絶えた者には、移し替えて服する喪はない。服するのは親しい者がつながっているからである。親愛の情から親をたどって、段階を追ってさかのぼり祖に至る。尊ぶ筋道から祖をたどって、順に下って父に至る。

解説

大宗・小宗の宗法を、喪服小記よりも詳しく説いた段である。別子とは諸侯の嫡子以外の子で、国を継がずに卿大夫として別家を立てた者をいい、その家の始祖となる。その嫡流が大宗として百代変わらず一族を束ね、高祖・曾祖・祖・父を継ぐ者はそれぞれ小宗として、五代たてば入れ替わっていく。冒頭の、族人が血縁を理由に君に馴れ親しめないという定めは、君臣の義が親族の情より上に置かれることを示す。君の子である公子は、君を宗と仰ぐこともできず、自分がすぐ宗となるわけでもない宙に浮いた立場にあるため、特に宗の道を設けたという説明も周到である。一族や組織において、変わらない中心と世代で入れ替わる役割をどう組み合わせるかは、同族企業の承継などにも通じる問題である。

この章句が説くこと

礼記大伝宗法大宗小宗

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る