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礼記 / 礼器

君子曰:「無節於內者,觀物弗之察矣。欲察物而不由禮,弗之得矣。故作事不以禮,弗之敬矣。出言不以禮,弗之信矣。故曰:禮也者,物之致也。」 是故昔先王之制禮也,因其財物而致其義焉爾。故作大事必順天時,為朝夕必放於日月,為高必因丘陵,為下必因川澤。是故天時雨澤,君子達亹亹焉。

新字:君子曰:「無節於内者,観物弗之察矣。欲察物而不由礼,弗之得矣。故作事不以礼,弗之敬矣。出言不以礼,弗之信矣。故曰:礼也者,物之致也。」 是故昔先王之制礼也,因其財物而致其義焉爾。故作大事必順天時,為朝夕必放於日月,為高必因丘陵,為下必因川沢。是故天時雨沢,君子達亹亹焉。

書き下し

君子曰く、「内に節無き者は、物を観て之を察せず。物を察せんと欲して礼に由らざれば、之を得ず。故に事を作すに礼を以てせざれば、之を敬せず。言を出だすに礼を以てせざれば、之を信ぜず。故に曰く、礼なる者は、物の致なり」と。 是の故に昔先王の礼を制するや、其の財物に因りて其の義を致すのみ。故に大事を作すには必ず天の時に順い、朝夕を為すには必ず日月に放(なら)い、高きを為すには必ず丘陵に因り、下きを為すには必ず川沢に因る。是の故に天時雨沢あれば、君子達(みな)亹亹(びび)たり。

現代語訳

君子は言う。「内に節度のない者は、物を見てもその本質を見極められない。物を見極めようとしても礼によらなければ、その道理を得られない。だから事を行うのに礼によらなければ、人はそれを敬わない。言葉を発するのに礼によらなければ、人はそれを信じない。だから、礼とは物事の極致であると言うのである」。 それゆえ昔、先王が礼を定めるときには、その土地の財物に基づいて、その意義を尽くしたのである。だから大きな事業を行うには必ず天の時に従い、朝夕の祭りを行うには必ず日と月にならい、高い所で祭るには必ず丘陵を利用し、低い所で祭るには必ず川や沢を利用した。だから天の時にかなって雨が恵みをもたらせば、君子はみな勉め励み、喜ぶのである。

解説

礼が物事を見極め、人の信頼を得るための基盤であることを説く段である。内に節度がなければ物を見ても本質がわからず、礼によらなければ道理を得られない。事も言葉も、礼によらなければ敬われず信じられない。ここで礼は、外に向けた作法である前に、自分の内に節度を持ち、物事を正しく見るための構えとして語られている。後半は、先王が土地の財物や天の時、日月、丘陵や川沢に基づいて礼を定めたと述べ、礼が自然の条件に即したものであることを示す。鄭玄は亹亹を勉め励む様とし、君子は物を愛するので天の雨の恵みを見てみな励み楽しむと注している。自然の恵みを当然と思わず、それに応えて自らも励む心が礼の根にあるという。自分の内に節度がないまま人や物事を判断すると見誤るというのは、今の情報のあふれる時代にこそ身にしみる指摘である。

この章句が説くこと

礼記節度信頼天の時礼器

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