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礼記 / 礼運

「祝嘏莫敢易其常古,是謂大假。祝嘏辭說,藏於宗、祝、巫、史,非禮也,是謂幽國。醆、斝及尸君,非禮也,是謂僭君。冕、弁、兵、革藏於私家,非禮也,是謂脅君。大夫具官,祭器不假,聲樂皆具,非禮也,是謂亂國。

新字:「祝嘏莫敢易其常古,是謂大仮。祝嘏辞説,蔵於宗、祝、巫、史,非礼也,是謂幽国。醆、斝及尸君,非礼也,是謂僭君。冕、弁、兵、革蔵於私家,非礼也,是謂脅君。大夫具官,祭器不仮,声楽皆具,非礼也,是謂乱国。

書き下し

祝嘏は敢えて其の常古を易(か)うること莫し。是を大假(たいか)と謂う。祝嘏の辞説を、宗・祝・巫・史に蔵するは、礼に非ざるなり。是を幽国と謂う。醆(さん)・斝(か)もて尸君に及ぼすは、礼に非ざるなり。是を僭君と謂う。冕・弁・兵・革を私家に蔵するは、礼に非ざるなり。是を脅君と謂う。大夫官を具え、祭器仮らず、声楽皆具わるは、礼に非ざるなり。是を乱国と謂う。

現代語訳

祝と嘏のことばは、昔からの定まった形を決して改めてはならない。これを大假(たいか、大いなる大法)という。祝と嘏のことばを宗伯・祝・巫・史(祭祀に仕える役人)の家にしまい込み、君が知らないままにしておくのは礼ではない。これを幽国(暗い国)という。醆や斝(か、ともに先王の用いた杯)を諸侯が尸(しかばね、祭りで祖先の代わりに座る者)への献杯に用いるのは礼ではない。これを僭君(身分を越えた君)という。冕(礼冠)や弁(皮の冠)、武器や甲冑を臣下の私邸にしまっておくのは礼ではない。これを脅君(君を脅かす)という。大夫が属官をすべてそろえ、祭器を借りずに自前で備え、音楽の楽器も一式そろえているのは礼ではない。これを乱国(乱れた国)という。

解説

祭祀と国の秩序にかかわる非礼を列挙する段である。祝嘏のことばは昔の形を変えてはならず、それを祭祀の役人だけが秘蔵して君が知らないのは国を暗くする。醆・斝は先王の杯で、鄭玄は魯と前王朝の子孫の国だけが用いることを許され、他の諸侯が用いれば礼を越えた君になると注している。冕弁や武器を臣下が私蔵すれば君を脅かし、大夫が属官も祭器も楽器も一国の君並みにそろえれば国が乱れる。いずれも、身分に応じた持ち物の差を崩すことが、そのまま権力の秩序を崩すという考えに立っている。『論語』八佾篇で孔子が、大夫の季氏が天子の舞である八佾を自邸で舞わせたことを、これを忍ぶべくんば孰れか忍ぶべからざらんと非難したのも同じ筋である。役職に見合わない権限や資源を抱え込むことの危うさは、今の組織でも変わらない。

この章句が説くこと

礼記僭上祭祀身分礼運

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