礼記 / 月令
天子乃難,以達秋氣。 以犬嘗麻,先薦寢廟。 是月也,可以築城郭,建都邑,穿竇窖,脩囷倉。 乃命有司趣民收斂,務畜菜,多積聚。乃勸種麥,毋或失時。其有失時,行罪無疑。
新字:天子乃難,以達秋気。 以犬嘗麻,先薦寝廟。 是月也,可以築城郭,建都邑,穿竇窖,脩囷倉。 乃命有司趣民収斂,務畜菜,多積聚。乃勧種麦,毋或失時。其有失時,行罪無疑。
書き下し
天子乃ち難(だ)して、以て秋気を達す。 犬を以て麻を嘗み、先ず寝廟に薦む。 是の月や、以て城郭を築き、都邑を建て、竇窖(とうこう)を穿ち、囷倉(きんそう)を脩むべし。 乃ち有司に命じて民に趣(うなが)して収斂せしめ、務めて菜を畜え、多く積聚せしむ。乃ち麦を種うるを勧め、或いは時を失うこと毋からしむ。其れ時を失うこと有らば、罪を行いて疑うこと無し。
現代語訳
天子は儺(おにやらい)を行って、秋の気を滞りなく通じさせる。 犬の肉とともに麻の実を味わい、まず寝廟に供える。 この月には、城郭を築き、都や町を建て、穴蔵を掘り、円い米倉や四角い倉を修理してよい。 そこで役人に命じて、民をうながして作物を取り入れさせ、努めて野菜を蓄えさせ、多くの物を積み蓄えさせる。また麦を蒔くことを勧め、時期を失うことのないようにさせる。時期を失う者があれば、ためらわずに罰する。
解説
仲秋の儺と初物の供え、そして冬に向けた備蓄と麦の種まきを述べる段である。月令では儺が季春・仲秋・季冬の三度行われ、季春は国じゅうで、この月は天子が行うとされる。季節の気が滞ると病や災いが生じると考え、それを払って秋の気を通じさせるのである。孟春から夏にかけては土木工事が禁じられていたが、この月になると城郭を築き、都邑を建て、穴蔵を掘り、倉を修めることが許される。収穫が進んで民の手が空き、蓄えを納める場所が必要になるからである。さらに民をうながして作物を取り入れ、野菜を蓄えさせ、翌年のための麦を蒔かせ、時期を失った者は罰するとまで定める。収穫の喜びのさなかに次の冬と翌年の種まきを考えるという段取りは、今の仕事や家計の計画にもそのまま学ぶべき点がある。
この章句が説くこと
礼記月令備蓄追儺段取り
関連する章句
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礼記・月令天子は総章の右个に居り、戎路に乗り、白駱に駕し、白旂を載せ、白衣を衣、白玉を服ぶ。麻と犬とを食らい、其の器は廉ありて以て深し。 是の月や、号令を申厳す。百官貴賤に命じて内(おさ)むるを務めざる無からしめ、以て天地の蔵に会し、宣出すること有る無し。 乃ち冢宰(ちょうさい)に命じ、農事備(ことごと)く収まれば、五穀の要を挙げ、帝藉の収を神倉に蔵し、祗敬(しけい)して必ず飭(つつし)ましむ。是の月や、霜始めて降れば、則ち百工休む。
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礼記・月令是の月や、草木黄落し、乃ち薪を伐りて炭と為す。 蟄虫咸(みな)俯(ふ)して内に在り、皆其の戸を墐(ぬ)る。乃ち獄刑を趣(うなが)し、有罪を留むること毋し。禄秩の当たらざるもの、供養の宜しからざる者を収む。 是の月や、天子乃ち犬を以て稲を嘗み、先ず寝廟に薦む。 季秋に夏の令を行えば、則ち其の国大いに水あり、冬蔵殃敗(おうはい)し、民に鼽嚏(きゅうてい)多し。冬の令を行えば、則ち国に盗賊多く、辺竟(へんきょう)寧からず、土地分裂す。春の令を行えば、則ち煖風来たり至り、民気解惰し、師興りて居らず。
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礼記・月令国に命じて難(だ)し、九門に磔攘(たくじょう)して、以て春気を畢(お)う。 季春に冬の令を行えば、則ち寒気時に発し、草木皆粛(しぼ)み、国に大いなる恐れ有り。夏の令を行えば、則ち民多く疾疫し、時雨降らず、山林収めず。秋の令を行えば、則ち天多く沈陰し、淫雨蚤く降り、兵革並び起こる。
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礼記・月令天子は総章(そうしょう)の左个に居り、戎路(じゅうろ)に乗り、白駱(はくらく)に駕し、白旂を載せ、白衣を衣、白玉を服び、麻と犬とを食らい、其の器は廉(かど)ありて以て深し。 是の月や、以て秋を立つ。立秋に先だつこと三日、大史之を天子に謁げて曰く、「某日立秋なり、盛徳は金に在り」と。天子乃ち斉す。立秋の日、天子親ら三公・九卿・諸侯・大夫を帥いて以て秋を西郊に迎う。還り反りて、軍帥・武人を朝に賞す。天子乃ち将帥に命じて士を選び兵を厲(と)ぎ、桀俊を簡練し、有功に専任し、以て不義を征せしむ。暴慢を詰誅(きっちゅう)し、以て好悪を明らかにし、彼の遠方を順わしむ。是の月や、有司に命じて法制を脩め、囹圄を繕い、桎梏を具え、姦を禁止し、罪邪を慎み、搏執(はくしつ)に務めしむ。理に命じて傷を瞻(み)、創を察し、折を視、断を審らかにし、獄訟を決するに、必ず端平ならしむ。有罪を戮し、刑を断ずるを厳にす。天地始めて粛(しゅく)す、以て贏(えい)すべからず。是の月や、農乃ち穀を登らせ、天子新を嘗み、先ず寝廟に薦む。百官に命じて始めて収斂し、隄坊(ていぼう)を完くし、壅塞(ようそく)を謹み、以て水潦に備えしむ。宮室を脩め、牆垣(しょうえん)を坏(つちか)い、城郭を補う。是の月や、以て諸侯を封じ、大官を立つること毋かれ。以て地を割き、大使を行い、大幣を出だすこと毋かれ。
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礼記・月令孟秋に冬の令を行えば、則ち陰気大いに勝ち、介虫(かいちゅう)穀を敗り、戎兵乃ち来たる。春の令を行えば、則ち其の国乃ち旱し、陽気復た還り、五穀実無し。夏の令を行えば、則ち国に火災多く、寒熱節ならず、民に瘧疾(ぎゃくしつ)多し。 仲秋の月、日は角(かく)に在り、昏に牽牛中し、旦に觜觿(しけい)中す。其の日は庚辛、其の帝は少暭、其の礼は蓐収。其の虫は毛。其の音は商、律は南呂(なんりょ)に中る。其の数は九。其の味は辛、其の臭は腥。其の祀りは門、祭るに肝を先にす。
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呂氏春秋・仲秋③是の月や、乃ち宰祝に命じて、犠牲を巡行せしむ。全具を視、芻豢を案じ、肥瘠を瞻、物色を察し、必ず比類して、大小を量り、長短を視、皆度に中らしむ。五つの者備に當りて、上帝其れ享く。天子乃ち儺して、佐疾を禦ぎ、以て秋氣を通ず。犬を以て麻を嘗め、先づ寢廟を祭る。
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