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礼記 / 月令

孟秋行冬令,則陰氣大勝,介蟲敗穀,戎兵乃來。行春令,則其國乃旱,陽氣復還,五穀無實。行夏令,則國多火災。寒熱不節,民多瘧疾。 仲秋之月,日在角,昏牽牛中,旦觜觿中。其日庚辛,其帝少暭,其神蓐收。其蟲毛。其音商,律中南呂。其數九。其味辛,其臭腥。其祀門,祭先肝。

新字:孟秋行冬令,則陰気大勝,介虫敗穀,戎兵乃来。行春令,則其国乃旱,陽気復還,五穀無実。行夏令,則国多火災。寒熱不節,民多瘧疾。 仲秋之月,日在角,昏牽牛中,旦觜觿中。其日庚辛,其帝少暭,其神蓐収。其虫毛。其音商,律中南呂。其数九。其味辛,其臭腥。其祀門,祭先肝。

書き下し

孟秋に冬の令を行えば、則ち陰気大いに勝ち、介虫(かいちゅう)穀を敗り、戎兵乃ち来たる。春の令を行えば、則ち其の国乃ち旱し、陽気復た還り、五穀実無し。夏の令を行えば、則ち国に火災多く、寒熱節ならず、民に瘧疾(ぎゃくしつ)多し。 仲秋の月、日は角(かく)に在り、昏に牽牛中し、旦に觜觿(しけい)中す。其の日は庚辛、其の帝は少暭、其の礼は蓐収。其の虫は毛。其の音は商、律は南呂(なんりょ)に中る。其の数は九。其の味は辛、其の臭は腥。其の祀りは門、祭るに肝を先にす。

現代語訳

秋の初めの月に冬の政令を行えば、陰の気が大いに勝ち、甲殻をもつ虫が穀物を損ない、異民族の兵が攻めてくる。春の政令を行えば、国はひでりとなり、陽の気がふたたび戻ってきて、五穀は実を結ばない。夏の政令を行えば、国に火災が多く、寒さと暑さが節度を失い、民にはおこり(周期的に高熱を出す熱病)が多くはやる。 秋の半ばの月(旧暦八月)には、太陽は角宿の位置にあり、日暮れには牽牛宿が南中し、夜明けには觜觿宿が南中する。日は庚辛、帝は少皞、この月をつかさどる神は蓐収。動物は毛のあるもの。音は商、律は南呂に当たる。数は九。味は辛さ、においは生臭さ。祀るのは門の神で、供物は肝臓を先にする。

解説

孟秋に誤った政令を行った場合の災異と、仲秋の天象と配当を述べる段である。秋に冬の令を行えば陰気が勝ちすぎて甲殻の虫が穀物を損ない、外敵が攻めてくる。春の令を行えば、いったん退いた陽気がまた戻ってきてひでりとなり、五穀が実らない。夏の令を行えば火災が多く、寒暖の節度が乱れて、おこりのような熱病がはやる。とくに「寒熱節ならず、民に瘧疾多し」は、暑さ寒さが入り乱れる季節の変わり目に病がはやるという、経験に根ざした観察とも読める。後半は仲秋に入り、太陽は角宿に移り、律は南呂に改まるが、日・帝・神・虫・音・数・味・臭・祀は秋の金の配当のままである。季節の変わり目に体調を崩しやすいという実感は今も変わらず、寒暖の差が大きい時期にこそ、暮らしの節度を保つことが心身を守る第一歩となる。

この章句が説くこと

礼記月令災異仲秋健康

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