礼記 / 月令
天子居明堂太廟,乘朱路,駕赤駵,載赤旂,衣朱衣,服赤玉,食菽與雞。其器高以粗。養壯佼。 是月也,命樂師脩鞀、鞞、鼓,均琴、瑟、管、簫,執干、戚、戈、羽,調竽、笙、竾、簧,飭鍾、磬、柷、敔。
新字:天子居明堂太廟,乗朱路,駕赤駵,載赤旂,衣朱衣,服赤玉,食菽与鶏。其器高以粗。養壮佼。 是月也,命楽師脩鞀、鞞、鼓,均琴、瑟、管、簫,執干、戚、戈、羽,調竽、笙、竾、簧,飭鍾、磬、柷、敔。
書き下し
天子は明堂の太廟に居り、朱路に乗り、赤駵に駕し、赤旂を載せ、朱衣を衣、赤玉を服び、菽と雞とを食らう。其の器は高くして以て粗いなり。壮佼(そうこう)を養う。 是の月や、楽師に命じて鞀(とう)・鞞(へい)・鼓を脩め、琴・瑟(しつ)・管・簫(しょう)を均(ととの)え、干(かん)・戚(せき)・戈(か)・羽を執り、竽(う)・笙(しょう)・竾(ち)・簧(こう)を調え、鍾(しょう)・磬(けい)・柷(しゅく)・敔(ぎょ)を飭(ととの)えしむ。
現代語訳
天子は明堂の中央の正室(太廟)に住まい、朱路に乗り、赤駵に引かせ、赤い旗を立て、朱の衣を着て、赤い玉を帯び、豆と鶏を食べる。器は背が高く大ぶりなものを用いる。体が盛んでたくましい若者を養う。 この月、楽師に命じて、鞀(ふりつづみ)・鞞(小つづみ)・鼓(大つづみ)を修理させ、琴・瑟(大型の琴)・管(笛)・簫(竹を並べた笛)の音をととのえさせ、干(たて)・戚(まさかり)・戈(ほこ)・羽(舞に用いる羽飾り)といった舞の道具を手に取って整えさせ、竽(大型の笙)・笙・竾(横笛)・簧(笙のリード)を調律させ、鍾(つりがね)・磬(石の打楽器)・柷(楽の始めに打つ木箱)・敔(楽の終わりにかき鳴らす虎形の木器)を整えさせる。
解説
仲夏の天子の居所と、楽器の総点検を命じる段である。後半では楽師に命じて、打楽器・弦楽器・管楽器を修理し調律させ、舞に用いる干・戚・戈・羽の道具までそろえさせる。ここに並ぶ楽器は、革・糸・竹・匏・金・石・木など素材の異なるものを網羅しており、古代の楽が多様な音を合わせて一つの調和を作るものであったことがわかる。柷は楽の始めに打ち、敔は楽の終わりにかき鳴らすもので、音楽の始まりと終わりをはっきりさせる役を担った。この点検は、次の段に見える雨乞いの大祭で盛んな楽を用いるための準備でもある。大切な行事の前に、使う道具を一つ残らず手入れし調子を合わせておくという心得は、発表や式典、演奏会を控えた今日の準備にもそのまま通じる。
この章句が説くこと
礼記月令楽器礼楽準備
関連する章句
-
司馬法・嚴位凡そ戦の道は、位は厳ならんことを欲し、政は栗(りつ)ならんことを欲し、力は窕(ゆとり)あらんことを欲し、気は閑(しずか)ならんことを欲し、心は一ならんことを欲す。
-
うひ山ぶみ・第六段まことに然あるべきことにて、その学のしなを正し、まなびやうの法をも正して、ゆくさきよこさまなるあしき方に落チざるやう、又其業のはやく成るべきやう、すべて功多かるべきやうを、はじめよりよくしたゝめて、入らまほしきわざ也、
-
孫子・形篇是の故に勝兵はまず勝ちて後に戦い、敗兵はまず戦いて後に勝ちを求む。
-
司馬法・定爵教えは惟(こ)れ豫(あらかじ)め、戦いは惟れ節(せつ)。
-
李衛公問対・卷上《孫子》に謂う、『多筭は少筭に勝つ』と。以て少筭の無筭に勝つを知る有り。凡そ事皆な然り。
-
『呻吟語』内篇・談道・權は豫め設く可からず事に豫めして立つ有り、亦た豫めして廢るる者有り。吾れ曾て豫めして以て待つ有りしも、事に臨みて鑿枘合はず、竟に棄擲と成る者あり。所謂る權は豫め設く可からず、變は先に圖る可からずとは、又た一を執りて論じ難きなり。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る