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礼記 / 月令

是月也,生氣方盛,陽氣發泄,句者畢出,萌者盡達。不可以內。天子布德行惠,命有司發倉廩,賜貧窮,振乏絕,開府庫,出幣帛,周天下。勉諸侯,聘名士,禮賢者。 是月也,命司空曰:「時雨將降,下水上騰,循行國邑,周視原野,修利隄防,道達溝瀆,開通道路,毋有障塞。田獵,罝罘、羅罔、畢翳、餧獸之藥,毋出九門。」

新字:是月也,生気方盛,陽気発泄,句者畢出,萌者尽達。不可以内。天子布徳行恵,命有司発倉廩,賜貧窮,振乏絶,開府庫,出幣帛,周天下。勉諸侯,聘名士,礼賢者。 是月也,命司空曰:「時雨将降,下水上騰,循行国邑,周視原野,修利堤防,道達溝瀆,開通道路,毋有障塞。田猟,罝罘、羅罔、畢翳、餧獣之薬,毋出九門。」

書き下し

是の月や、生気方(まさ)に盛んに、陽気発泄(はっせつ)し、句(こう)なる者畢(ことごと)く出で、萌ゆる者尽く達す。以て内(い)るべからず。天子徳を布き恵みを行い、有司に命じて倉廩(そうりん)を発し、貧窮に賜い、乏絶を振(すく)い、府庫を開き、幣帛(へいはく)を出だし、天下に周(あまね)くせしむ。諸侯を勉め、名士を聘(へい)し、賢者を礼す。 是の月や、司空(しくう)に命じて曰く、「時雨将に降らんとし、下水上騰せん。国邑を循行し、原野を周視し、隄防(ていぼう)を修利し、溝瀆(こうとく)を道達し、道路を開通して、障塞有ること毋かれ。田猟の罝罘(しょふ)・羅罔(らもう)・畢翳(ひつえい)・餧獣(いじゅう)の薬は、九門を出だすこと毋かれ」と。

現代語訳

この月、生の気がまさに盛んになり、陽の気が外へあふれ出て、曲がって芽を出すものはすべて地上に出て、まっすぐ芽吹くものはことごとく伸びる。この時には財を内に取り込んではならない。天子は恩徳を広め恵みを施し、役人に命じて穀物倉を開いて貧しい者に与え、食に窮した者を救い、財物の蔵を開いて絹などの贈り物を出し、天下にあまねく行き渡らせる。諸侯を励まし、名のある人士を招き、賢者を礼遇する。 この月、司空(土木をつかさどる官)に命じて言う。「季節の雨が降ろうとしており、低い所の水が上にあふれようとしている。国の町々を巡り歩き、原野をくまなく見て回り、堤防を修理して役立つようにし、溝や水路を通し、道路を切り開いて、ふさがる所がないようにせよ。狩猟に使う獣網・鳥網・柄つきの網や隠れみの、獣に食わせる毒薬は、都の九つの門から外へ持ち出してはならない」。

解説

季春に行う恵みの政治と、雨季に備える治水の命令を述べる段である。生の気が盛んで陽気が外へあふれ出る時には、人の世でも財を内にため込まず、外へ施すべきだとされる。自然の気の向きと政治の向きを一致させるという、月令に一貫する考え方である。そこで天子は倉を開いて貧しい者や食に窮した者を救い、蔵から絹などを出して天下に行き渡らせ、さらに諸侯を励まし、名士を招き、賢者を礼遇する。後半では、雨季を前にして司空に堤防・水路・道路を点検させ、水があふれても滞らないようにさせる。狩りの網や毒薬を都の外へ持ち出させないのは、鳥獣が子を育てる季節を守るためである。梅雨や台風の前に側溝や堤防を見回る今日の防災の営みは、この段の命令とほとんど同じ形をしている。

この章句が説くこと

礼記月令恵政治水防災

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