礼記 / 月令
天子居青陽右个,乘鸞路,駕倉龍,載青旂,衣青衣,服倉玉。食麥與羊。其器疏以達。 是月也,天子乃薦鞠衣于先帝。命舟牧覆舟,五覆五反。乃告「舟備具」于天子焉,天子始乘舟。薦鮪于寢廟,乃為麥祈實。
新字:天子居青陽右个,乗鸞路,駕倉竜,載青旂,衣青衣,服倉玉。食麦与羊。其器疏以達。 是月也,天子乃薦鞠衣于先帝。命舟牧覆舟,五覆五反。乃告「舟備具」于天子焉,天子始乗舟。薦鮪于寝廟,乃為麦祈実。
書き下し
天子は青陽の右个(うこ)に居り、鸞路に乗り、倉龍に駕し、青旂を載せ、青衣を衣、倉玉を服ぶ。麦と羊とを食らう。其の器は疏にして以て達す。 是の月や、天子乃ち鞠衣(きくい)を先帝に薦む。舟牧(しゅうぼく)に命じて舟を覆(くつがえ)さしむること、五たび覆し五たび反す。乃ち「舟備具せり」と天子に告ぐ、天子始めて舟に乗る。鮪(い)を寝廟に薦め、乃ち麦の為に実を祈る。
現代語訳
天子は青陽の南寄りの脇室(右个)に住まい、鸞路に乗り、倉龍に引かせ、青い旗を立て、青い衣を着て、青い玉を帯びる。麦と羊を食べる。器は目が粗く透けたものを用いる。 この月、天子は鞠衣(桑の若葉のような黄色の衣)を先帝に供える。舟牧(舟をつかさどる官)に命じて舟をひっくり返して点検させ、五度ひっくり返し、五度もとに戻す。そのうえで「舟の備えはととのいました」と天子に報告し、天子ははじめて舟に乗る。鮪(ちょうざめの類)を寝廟に供え、麦のために実りを祈る。
解説
季春の天子の居所と、この月に行う三つの事柄を述べる段である。一つ目は鞠衣を先帝に薦めることで、鄭玄は、蚕を飼い始めるにあたって福を求めるためであり、鞠衣は黄色い桑の色の服、先帝は大皞の類であると注している。二つ目は舟の点検で、舟牧に命じて舟を五度ひっくり返しては戻させ、備えが整ったと報告を受けてから天子がはじめて乗る。鄭玄はこれを、舟が傾くことに備えるためと説く。三つ目は、鮪を寝廟に供えて麦の実りを祈ることで、その季節においしいものをまず先祖に捧げ、穂の出た麦が無事に実るよう願うのである。久しく使わなかったものを使い始める前に、繰り返し点検して安全を確かめるという心得は、機械や車、あるいは新しい仕組みを動かし始めるときの手順として、今の現場でもそのまま役に立つ。
この章句が説くこと
礼記月令点検祈年養蚕
関連する章句
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呂氏春秋・季春②是の月や、天子乃ち鞠衣を先帝に薦む。舟牧に命じて舟を覆せしむ。五たび覆し五たび反し、乃ち舟の備具わるを天子に告げ、天子焉に始めて舟に乘る。鮪を寢廟に薦め、乃ち麥の為に實らんことを祈る。
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礼記・月令天子は青陽(せいよう)の左个(さこ)に居り、鸞路(らんろ)に乗り、倉龍(そうりょう)に駕し、青旂(せいき)を載せ、青衣を衣(き)、倉玉を服(お)ぶ。麦と羊とを食らい、其の器は疏(そ)にして以て達す。 是の月や、以て春を立つ。立春に先だつこと三日、大史(たいし)之を天子に謁(つ)げて曰く、「某日立春なり、盛徳は木に在り」と。天子乃ち斉(さい)す。立春の日、天子親ら三公・九卿・諸侯・大夫を帥(ひき)いて以て春を東郊に迎う。還り反りて、公卿・諸侯・大夫を朝に賞す。
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『淮南子』時則訓季春の月、招搖は辰を指し、昏に七星中し、旦に牽牛中す。其の位は東方、其の日は甲乙、其の蟲は鱗、其の音は角、律は姑洗に中たり、其の數は八、其の味は酸、其の臭は羶、其の祀は戶、祭には脾を先にす。桐始めて華さき、田鼠化して鴽と為り、虹始めて見れ、萍始めて生ず。天子は青衣を衣、蒼龍に乘り、蒼玉を服し、青旗を建て、麥と羊とを食らい、八風の水を服し、萁を爨き火を燧り、東宮の御女は青色、青采を衣、琴瑟を鼓し、其の兵は矛、其の畜は羊、青陽の右丢に朝す。舟牧は舟を覆すこと、五たび覆し五たび反し、乃ち天子に具を言う。天子烏めて始めて舟に乘り、鮪を寢廟に薦め、乃ち麥の為に實を祈る。是の月や、生氣方に盛んに、陽氣發泄し、句なる者は畢く出で、萌す者は盡く達す。以て内る可からず。天子有司に命じて、囷倉を發き、貧窮を助け、乏絕を振わし、府庫を開き、幣帛を出だし、諸侯を使わし、名士を聘し、賢者を禮せしむ。司空に命ず、時雨將に降らんとし、下水上騰す。國邑を循行し、原野を周視し、隄防を修利し、溝瀆を導通し、路を達し道を除くこと、國より始めて、境に至りて止む。田獵畢弋、罝罘羅𦉾、餧毒の藥、九門を出だす毋かれ。乃ち野虞を禁じ、桑柘を伐る毋からしむ。鳴鳩其の羽を奮い、戴鵀桑に降る。撲曲筥筐を具え、后妃齋戒し、東に鄉いて親ら桑し、婦の使を省き、蠶事を勸む。五庫に命じ、百工をして金鐵皮革・筋角箭榦・脂膠丹漆を審らかにし、不良有る無からしむ。下旬の吉日を擇びて、大いに樂を合し、歡欣を致す。乃ち㹎牛騰馬を合し、牝を牧に游ばしむ。國に儺せしめ、九門に磔攘して、以て春氣を畢う。是の月令を行えば、甘雨至ること三旬。季春に冬令を行えば、則ち寒氣時に發し、草木皆な肅み、國に大恐有り。夏令を行えば、則ち民多く疾疫し、時雨降らず、山陵登らず。秋令を行えば、則ち天多く沈陰し、淫雨早く降り、兵革並び起こる。三月は鄉を官とし、其の樹は李なり。
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礼記・月令是の月や、野虞(やぐ)に命じて桑柘(そうしゃ)を伐ること無からしむ。鳴鳩(めいきゅう)其の羽を払い、戴勝(たいしょう)桑に降る。曲(きょく)・植(ち)・籧(きょ)・筐(きょう)を具う。后妃斉戒し、親ら東郷して躬ら桑(くわつ)む。婦女を禁じて観(かざ)ること毋からしめ、婦使を省きて以て蚕事を勧む。蚕事既に登(な)り、繭を分かち糸を称(はか)りて功を効(いた)し、以て郊廟の服に共(きょう)し、敢えて惰(おこた)ること有る無し。是の月や、工師に命じて百工をして五庫の量を審らかにせしむ。金鉄、皮革筋、角歯、羽箭幹(うせんかん)、脂膠丹漆(しこうたんしつ)、良からざること或る毋かれ。
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礼記・月令天子は明堂の右个に居り、朱路に乗り、赤駵に駕し、赤旂を載せ、朱衣を衣、赤玉を服ぶ。菽と雞とを食らい、其の器は高くして以て粗いなり。 漁師に命じて蛟(こう)を伐ち鼉(だ)を取り、亀を登(たてまつ)り黿(げん)を取らしむ。沢人に命じて材葦(ざいい)を納めしむ。 是の月や、四監に命じて大いに百県の秩芻(ちつすう)を合わせ、以て犠牲を養わしむ。民に令して咸(みな)其の力を出ださざること無からしめ、以て皇天・上帝・名山・大川・四方の神に共(きょう)し、以て宗廟社稷の霊を祠り、以て民の為に福を祈る。
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呂氏春秋・季春①季春の月。日は胃に在り、昏に七星中し、旦に牽牛中す。其の日は甲乙、其の帝は太皞、其の神は句芒、其の蟲は鱗、其の音は角、律は姑洗に中る。其の數は八、其の味は酸、其の臭は羶、其の祀は戶、祭るには脾を先にす。桐始めて華さき、田鼠化して鴽と為り、虹始めて見われ、萍始めて生ず。天子は青陽の右个に居り、鸞輅に乘り、蒼龍を駕し、青旂を載て、青衣を衣、青玉を服び、麥と羊とを食らう。其の器は疏にして以て達す。
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