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礼記 / 月令

是月也,命野虞無伐桑柘。鳴鳩拂其羽,戴勝降于桑。具曲、植、籧、筐。后妃齊戒,親東鄉躬桑。禁婦女毋觀,省婦使以勸蠶事。蠶事既登,分繭稱絲效功,以共郊廟之服,無有敢惰。是月也,命工師令百工審五庫之量:金鐵,皮革筋,角齒,羽箭幹,脂膠丹漆,毋或不良。

新字:是月也,命野虞無伐桑柘。鳴鳩払其羽,戴勝降于桑。具曲、植、籧、筐。后妃斉戒,親東郷躬桑。禁婦女毋観,省婦使以勧蠶事。蠶事既登,分繭称糸効功,以共郊廟之服,無有敢惰。是月也,命工師令百工審五庫之量:金鉄,皮革筋,角歯,羽箭幹,脂膠丹漆,毋或不良。

書き下し

是の月や、野虞(やぐ)に命じて桑柘(そうしゃ)を伐ること無からしむ。鳴鳩(めいきゅう)其の羽を払い、戴勝(たいしょう)桑に降る。曲(きょく)・植(ち)・籧(きょ)・筐(きょう)を具う。后妃斉戒し、親ら東郷して躬ら桑(くわつ)む。婦女を禁じて観(かざ)ること毋からしめ、婦使を省きて以て蚕事を勧む。蚕事既に登(な)り、繭を分かち糸を称(はか)りて功を効(いた)し、以て郊廟の服に共(きょう)し、敢えて惰(おこた)ること有る無し。是の月や、工師に命じて百工をして五庫の量を審らかにせしむ。金鉄、皮革筋、角歯、羽箭幹(うせんかん)、脂膠丹漆(しこうたんしつ)、良からざること或る毋かれ。

現代語訳

この月、野虞(田野と山林をつかさどる官)に命じて、桑や柘(やまぐわ)を伐らせない。鳴鳩(はと)が羽ばたいて羽を打ち合わせ、戴勝(やつがしら)が桑の木に降りてくる。曲(蚕を載せるすのこ)・植(すのこを支える柱)・籧と筐(丸いかごと四角いかご)をそろえる。后妃は斎戒し、みずから東を向いて桑の葉を摘む。婦女には着飾ることを禁じ、縫い物などの婦人の仕事を減らして、養蚕に励ませる。養蚕が終わると、繭を分けて糸をとらせ、糸の目方を量って仕事の成果を示させ、郊外の祭りや宗廟の祭りに着る服にあて、怠る者があってはならない。この月、工師(工人の長)に命じて、多くの工人に五つの蔵の材料の質と量を点検させる。金属と鉄、皮・なめし革・筋、角と歯、羽・矢柄・弓の幹、脂・にかわ・丹・漆について、質の悪いものが一つもないようにする。

解説

季春に始まる養蚕の礼と、工人の材料点検を述べる段である。桑を伐らせないのは、鄭玄が注するとおり蚕の食べ物を大切にするためであり、はとや、やつがしらが桑に降りるのは蚕が生まれる時期のしるしとされた。后妃が斎戒して東を向き、みずから桑を摘むのは、天下の女性に率先して手本を示すためで、天子が籍田をみずから耕すことと対になっている。婦女に着飾ることを禁じるのは、鄭玄によれば容飾を去らせることで、ほかの婦人の仕事も減らして養蚕に力を集めさせるのである。日本の皇室で皇后が蚕を育てる営みも、この親蚕の礼の流れをくむものとして語られてきた。後半の五庫の点検は、材料の段階で質を確かめよという命令である。良い仕事は良い材料から始まるという考えは、今のものづくりの品質管理にもそのまま当てはまる。

この章句が説くこと

礼記月令養蚕親蚕品質

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