呂氏春秋 / 季春③
是月也,生氣方盛,陽氣發泄,生者畢出,萌者盡達,不可以內。天子布德行惠,命有司,發倉窌,賜貧窮,振乏絕,開府庫,出幣帛,周天下,勉諸侯,聘名士,禮賢者。
新字:是月也,生気方盛,陽気発泄,生者畢出,萌者尽達,不可以内。天子布徳行恵,命有司,発倉窌,賜貧窮,振乏絶,開府庫,出幣帛,周天下,勉諸侯,聘名士,礼賢者。
書き下し
是の月や、生氣方に盛んにして、陽氣發泄し、生者畢く出で、萌者盡く達して、以て內る可からず。天子、德を布き惠を行い、有司に命じて、倉窌を發して、貧窮に賜い、乏絕を振い、府庫を開きて、幣帛を出だし、天下に周からしむ。諸侯に勉めて、名士を聘し、賢者を禮せしむ。
現代語訳
この月は生の気がまさに盛んで、陽の気が発散し、生き物はことごとく外に出て、芽生えるものはすべて伸び育つので、内にとどめてはならない。天子は徳を広め恵みを施し、役人に命じて穀倉や穴倉を開いて貧しい者に施し、困窮した者を救い、蔵を開いて幣帛(絹の贈り物)を出して天下にゆきわたらせる。諸侯を励まし、名士を招き、賢者を礼遇させる。
解説
春の盛りに万物が生い育つ時季に合わせ、天子が徳を広め恵みを施すべきことを説いています。生気・陽気が発散して芽が伸び生き物が出てくる季節には、閉じこめず外へ開くのが自然の理にかなうという考えです。だからこそ蔵を開いて貧者に施し、困窮を救い、賢者を招くという「与える政治」が奨励されます。現代でも、成長期には資源を抱え込むより投資や支援に回すほうが全体を潤します。組織や社会が伸びる局面では、蓄えを開いて人材登用や困窮者支援に振り向ける発想が、季節の理と重なって示唆に富みます。
この章句が説くこと
生気陽気布徳行恵貧窮賢者施し
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