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礼記 / 月令

命相布德和令,行慶施惠,下及兆民。慶賜遂行,毋有不當。 乃命大史守典奉法,司天日月星辰之行,宿離不貸,毋失經紀,以初為常。 是月也,天子乃以元日祈穀于上帝。乃擇元辰,天子親載耒耜,措之于參保介之御間,帥三公九卿諸侯大夫,躬耕帝藉。天子三推,三公五推,卿諸侯九推。反,執爵于大寢,三公九卿諸侯大夫皆御,命曰勞酒。

新字:命相布徳和令,行慶施恵,下及兆民。慶賜遂行,毋有不当。 乃命大史守典奉法,司天日月星辰之行,宿離不貸,毋失経紀,以初為常。 是月也,天子乃以元日祈穀于上帝。乃択元辰,天子親載耒耜,措之于参保介之御間,帥三公九卿諸侯大夫,躬耕帝藉。天子三推,三公五推,卿諸侯九推。反,執爵于大寝,三公九卿諸侯大夫皆御,命曰労酒。

書き下し

相(しょう)に命じて徳を布き令を和し、慶を行い恵みを施し、下は兆民に及ぼさしむ。慶賜遂に行われ、当たらざること有る毋(な)し。 乃ち大史に命じて典を守り法を奉じ、天の日月星辰の行りを司り、宿離(しゅくり)貸(たが)わず、経紀を失うこと毋く、初めを以て常と為さしむ。 是の月や、天子乃ち元日を以て穀を上帝に祈る。乃ち元辰を択び、天子親ら耒耜(らいし)を載せ、之を参保介(さんほかい)の御の間に措(お)き、三公・九卿・諸侯・大夫を帥いて、躬(みずか)ら帝藉(ていせき)を耕す。天子は三たび推し、三公は五たび推し、卿・諸侯は九たび推す。反りて、爵を大寝に執り、三公・九卿・諸侯・大夫皆御(はべ)る、命じて労酒と曰う。

現代語訳

宰相に命じて恩徳を広め、政令をやわらげ、褒賞を行い恵みを施して、下は万民にまで及ぼさせる。褒賞と下賜はあまねく行われ、不当なものがあってはならない。 また大史に命じて、典籍を守り法を奉じ、天における日・月・星辰の運行をつかさどらせる。星宿の位置と日月の運行を誤らず、暦の筋道を失わず、年の初めに定めたところを常の基準とさせる。 この月、天子は吉日を選んで上帝に五穀の実りを祈る。そして吉い辰の日を選び、天子はみずから耒耜(すき)を車に載せて、車右(天子の車に同乗する武官)と御者の間に置き、三公・九卿・諸侯・大夫を率いて、帝藉(天子が祭祀の穀物を作るための田)をみずから耕す。天子は三度すきを押し、三公は五度、卿と諸侯は九度押す。帰ると、大寝(正殿)で杯を執り、三公・九卿・諸侯・大夫がみな侍り、これを労酒(ねぎらいの酒)と名づける。

解説

前半は、宰相に恩徳の施しを、大史に暦の管理を命じる段であり、後半は祈穀と籍田(せきでん)の礼を述べる。春は生の季節であるから、刑罰よりも慶賞を先にし、恵みを下は万民にまで行き渡らせる。暦は農事と祭祀の基準であるから、天体の運行を誤りなく記録させることが天子の務めとされた。籍田の礼では、天子自身が耒耜を持って田を耕し、三公・九卿がそれに続く。天子が三度、三公が五度、卿・諸侯が九度と、身分が高いほど回数が少ないのは、尊い者が始めを示し、下の者がそれを受け継いで広げるという秩序を形にしたものと読める。漢の文帝も籍田を開いてみずから率いて耕すと詔したことが『史記』に見える。上に立つ者がまず自分の手を動かして見せるという型は、いまの組織の長にも示唆を与える。

この章句が説くこと

礼記月令籍田祈穀天子

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