礼記 / 檀弓上
南宮縚之妻之姑之喪,夫子誨之髽,曰:「爾毋從從爾,爾毋扈扈爾,蓋榛以為笄,長尺,而總八寸。」 孟獻子禫,縣而不樂,比御而不入。夫子曰:「獻子加於人一等矣!」
新字:南宮縚之妻之姑之喪,夫子誨之髽,曰:「爾毋従従爾,爾毋扈扈爾,蓋榛以為笄,長尺,而総八寸。」 孟献子禫,県而不楽,比御而不入。夫子曰:「献子加於人一等矣!」
書き下し
南宮縚(なんきゅうとう)の妻の姑(しゅうとめ)の喪に、夫子これに髽(さ)を誨(おし)えて曰く、「爾(なんじ)従従爾(しょうしょうじ)たること毋(な)かれ、爾扈扈爾(ここじ)たること毋かれ。蓋(けだ)し榛(しん)以て笄(けい)と為し、長さ尺、而して総(そう)八寸」と。 孟献子禫(たん)して、県(か)けて楽しまず、御に比(およ)べども入らず。夫子曰く、「献子は人に一等を加えたり」と。
現代語訳
南宮縚(孔子の兄の娘婿)の妻が姑の喪に服したとき、孔子は彼女に髽(喪中の女性の髪の結い方)の仕方を教えて言った。「髪を高く結い上げすぎてはならない。大きく広げすぎてもならない。榛の木で笄(こうがい)を作り、長さは一尺とし、髪を束ねる布の垂れは八寸とせよ」。 孟献子(魯の大夫仲孫蔑)は禫祭(喪を完全に終える祭り)を済ませたのち、楽器を掛け並べはしたが奏でず、妻妾と寝所を共にしてよい時期になっても寝所に入らなかった。孔子は言った。「献子は人より一段まさっている」。
解説
前半は、孔子が姪にあたる南宮縚の妻に、姑の喪での髪の結い方を教えた話である。高すぎず広すぎず、榛の笄を一尺、束ねの垂れを八寸という具体的な指示で、喪の飾りは質素に、しかし乱れすぎないようにという中庸を示している。後半は、孟献子が喪を終えた後もなお楽を奏でず、夫婦の寝所に戻らなかったことを孔子がほめた話である。鄭玄は、すでに婦人と寝所を共にしてよい時期でありながら、なお復寝しなかったのだと注し、「加」は越える意とする。孔穎達の疏は、禫の後も吉祭を経てから復寝するのが礼で、献子はそれを守ったと説く。定めより一歩控えめにすることで、形だけでなく心から喪に服していることが示される。決まりを最低限守るだけでなく、気持ちの余韻を自分で引き延ばすこと、その一歩の慎みが人の心を打つのは今も変わらない。
この章句が説くこと
礼記喪礼孔子慎み禫
関連する章句
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孔子家語・曲禮子貢問南宮絳の妻は、孔子の兄の女なり、其の姑の喪に髽を誨えて曰く、「爾従従たること毋かれ、扈扈たること毋かれ」と。蓋し榛を以て笄と為し、長さ尺にして総は八寸なり。
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