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礼記 / 檀弓上

衰,與其不當物也,寧無衰。齊衰不以邊坐,大功不以服勤。 孔子之衛,遇舊館人之喪,入而哭之哀。出,使子貢說驂而賻之。子貢曰:「於門人之喪,未有所說驂,說驂於舊館,無乃已重乎?」夫子曰:「予鄉者入而哭之,遇於一哀而出涕。予惡夫涕之無從也。小子行之。」

新字:衰,与其不当物也,寧無衰。斉衰不以辺坐,大功不以服勤。 孔子之衛,遇旧館人之喪,入而哭之哀。出,使子貢説驂而賻之。子貢曰:「於門人之喪,未有所説驂,説驂於旧館,無乃已重乎?」夫子曰:「予郷者入而哭之,遇於一哀而出涕。予悪夫涕之無従也。小子行之。」

書き下し

衰(さい)は、其の物に当たらざらんよりは、寧ろ衰無かれ。斉衰には辺坐せず、大功には服勤せず。 孔子衛に之(ゆ)き、旧館人の喪に遇う。入りてこれを哭して哀し。出でて、子貢をして驂(さん)を説(と)きてこれに賻(ふ)せしむ。子貢曰く、「門人の喪に於いて、未だ驂を説く所有らず。驂を旧館に説くは、乃ち已に重きこと無からんや」と。夫子曰く、「予(われ)郷(さき)に入りてこれを哭し、一哀に遇いて涕(なみだ)を出だす。予夫の涕の従う無きを悪(にく)む。小子これを行え」と。

現代語訳

喪服は、その布の粗さや寸法が定めに合っていないくらいなら、いっそ着ない方がよい。斉衰を着ているときは片寄って座らず、大功を着ているときは力仕事をしない。 孔子が衛に行ったとき、以前に泊めてもらった宿の主人の喪に行き合った。中に入って哭し、深く哀しんだ。出てくると、子貢に命じて車の添え馬を外させ、香典として贈らせた。子貢は言った。「門人の喪でさえ添え馬を外して贈ったことはありません。以前の宿の主人に添え馬を贈るのは、重すぎるのではありませんか」。孔子は言った。「私はさっき中に入って哭したとき、ひとしきり哀しみに打たれて涙を流した。その涙に何の裏付けもないのを、私は嫌うのだ。お前たち、そのとおりにせよ」。

解説

喪服は哀しみを表すものだから、定めに合わないものを着るくらいなら着ない方がよい。鄭玄は、布の精粗や広狭が法制に合わないことを礼を乱すとして嫌ったのだと注す。斉衰で片寄って座らず、大功で力仕事をしないのも、鄭玄によれば喪服を褻(な)れ汚さないためである。後半は、孔子が衛で昔の宿の主人の喪に出会い、哭して涙を流したあと、車の添え馬を外して贈らせた話である。子貢は、弟子の喪でもしなかったことだと重すぎるのを案じたが、孔子は、流した涙に裏付けがないことを嫌うのだと答えた。孔穎達の疏はこの一節を、礼が忠信に副うことを示したものとする。形だけの礼を戒める一方で、形の伴わない感情もまた空しいとする考えである。お悔やみの言葉だけでなく、気持ちに見合った行動を添えることの大切さを、この逸話は教えている。

この章句が説くこと

礼記弔問孔子誠香典

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