導師導古典を学びたいすべての人に

礼記 / 曲礼下

天子不言出,諸侯不生名。君子不親惡:諸侯失地,名;滅同姓,名。 為人臣之禮:不顯諫;三諫而不聽,則逃之。子之事親也:三諫而不聽,則號泣而隨之。 君有疾,飲藥,臣先嘗之;親有疾,飲藥,子先嘗之。醫不三世,不服其藥。儗人必於其倫。

新字:天子不言出,諸侯不生名。君子不親悪:諸侯失地,名;滅同姓,名。 為人臣之礼:不顕諫;三諫而不聴,則逃之。子之事親也:三諫而不聴,則号泣而随之。 君有疾,飲薬,臣先嘗之;親有疾,飲薬,子先嘗之。医不三世,不服其薬。儗人必於其倫。

書き下し

天子は出(しゅつ)と言わず、諸侯は生きながら名いわず。君子は悪を親しまず。諸侯地を失えば名いい、同姓を滅ぼせば名いう。 人臣たるの礼は、顕(あら)わには諫めず。三たび諫めて聴かれざれば、則ちこれを逃(さ)る。子の親に事(つか)うるや、三たび諫めて聴かれざれば、則ち号泣してこれに随う。 君疾(やまい)有りて薬を飲むときは、臣先ずこれを嘗(な)む。親疾有りて薬を飲むときは、子先ずこれを嘗む。医三世ならざれば、其の薬を服せず。人に儗(なぞら)うるには必ず其の倫(たぐい)に於いてす。

現代語訳

天子については(記録に)「出奔した」とは書かず、諸侯については存命中にその名を書かない。(それを書くのは大きな悪があって絶つときであり)君子は悪を行う者と親しまない。諸侯が領地を失えば名を書き、同姓の国を滅ぼせば名を書く。 臣下としての礼は、主君の過ちをあからさまに言い立てて諫めることはしない。三度諫めても聞き入れられなければ、そのもとを去る。子が親に仕える場合は、三度諫めても聞き入れられなければ、声をあげて泣きながらも親に付き従う。 主君が病んで薬を飲むときは、臣下が先にそれを嘗めてみる。親が病んで薬を飲むときは、子が先にそれを嘗めてみる。三代続いた医者でなければ、その薬は服さない。人を人に比べるときは、必ず同じ身分・同じ類の者と比べる。

解説

曲礼下篇のこの段は、記録の書き方、諫め方、病人への仕え方という三つの場面を並べている。第一段について鄭玄は、天子に「出」と書き諸侯を生前に名で書くのは大悪があるときで、君子はそれによって悪を絶つのだと注し、『春秋』の「天王出でて鄭に居る」を例に引く。君臣は義で結ばれるから、三度諫めて聴かれなければ去ってよい。親子は恩で結ばれるから去ることはできず、泣きながらも従うほかない。鄭玄は「顕わには諫めず」を、君の悪を明言して美を奪わないためと説く。第三段の毒見と「医三世ならざれば」は、鄭玄が「物の齊(ととの)えを慎む」と注すとおり、確かな経験を重んじる用心である。関係の性質によって、諫め方も離れ方も変わる。職場と家族とで身の処し方が違うのは当然だと、この段は二千年前から述べている。

この章句が説くこと

礼記諫言孝君臣曲礼

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る