導師導古典を学びたいすべての人に

礼記 / 曲礼下

諸侯見天子曰「臣某侯某」;其與民言,自稱曰「寡人」。其在凶服,曰「適子孤」。臨祭祀,內事曰「孝子某侯某」,外事曰「曾孫某侯某」。死曰「薨」,復曰「某甫復矣」。既葬,見天子曰「類見」。言謚曰「類」。諸侯使人使於諸侯,使者自稱曰「寡君之老」。

新字:諸侯見天子曰「臣某侯某」;其与民言,自称曰「寡人」。其在凶服,曰「適子孤」。臨祭祀,内事曰「孝子某侯某」,外事曰「曽孫某侯某」。死曰「薨」,復曰「某甫復矣」。既葬,見天子曰「類見」。言謚曰「類」。諸侯使人使於諸侯,使者自称曰「寡君之老」。

書き下し

諸侯天子に見ゆるには「臣某侯某」と曰う。其の民と言うには、自ら称して「寡人」と曰う。其の凶服に在りては、「適子孤」と曰う。祭祀に臨みては、内事には「孝子某侯某」と曰い、外事には「曾孫某侯某」と曰う。死すれば「薨(こう)」と曰い、復するには「某甫復れ」と曰う。既に葬りて、天子に見ゆるを「類見」と曰う。謚を言うを「類」と曰う。諸侯人をして諸侯に使いせしむれば、使者自ら称して「寡君の老」と曰う。

現代語訳

諸侯が天子にお目通りするときは「臣、某国の侯、某」と名乗る。自国の民と話すときは、自らを「寡人(徳の寡ない者)」と称する。喪服を着ている間は「適子孤(跡継ぎの孤児)」と称する。祭祀を執り行うとき、宗廟の祭りでは「孝子某侯某」と称し、天地や山川の祭りでは「曾孫某侯某」と称する。諸侯が亡くなると「薨」といい、魂を呼び戻す復の儀では「某甫よ、お戻りください」と呼ぶ。父の葬儀を終えた跡継ぎが天子にお目通りすることを「類見」という。父の謚を天子に請うことを「類」という。諸侯が人を使者として他の諸侯のもとへ遣わすときは、使者は自らを「寡君の老(わが君の家臣)」と称する。

解説

前段の天子の称号に続き、諸侯の自称と呼び名を定めた段である。天子に対しては「臣某侯某」と臣下の立場を明らかにし、民に対しては「寡人」と徳の少ない者としてへりくだる。喪中には「適子孤」と名乗り、祭りでは宗廟に対して「孝子」、天地山川に対して「曾孫」と名乗り分ける。宗廟の祭りでは祖先に対する子としての孝を、天地の神々に対しては遠い子孫としての立場を示しているのである。死を「薨」と呼ぶのは、天子の「崩」、大夫の「卒」、士の「不禄」と並ぶ身分ごとの死の呼び分けの一つで、礼記の後段でも整理されている。民に対して自らを「寡人」と称することは、上に立つ者ほど言葉のうえでは身を低くするという礼の基本を示すもので、老子が侯王は自ら孤・寡・不穀と称すると述べたのとも重なる。立場が上がるほど、自らを語る言葉は控えめにするという心構えは、今の組織の長にも通じる。

この章句が説くこと

礼記諸侯自称謙譲曲礼

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る