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礼記 / 曲礼上

凡為君使者,已受命,君言不宿於家。君言至,則主人出拜君言之辱;使者歸,則必拜送于門外。若使人於君所,則必朝服而命之;使者反,則必下堂而受命。 博聞強識而讓,敦善行而不怠,謂之君子。君子不盡人之歡,不竭人之忠,以全交也。

新字:凡為君使者,已受命,君言不宿於家。君言至,則主人出拝君言之辱;使者帰,則必拝送于門外。若使人於君所,則必朝服而命之;使者反,則必下堂而受命。 博聞強識而譲,敦善行而不怠,謂之君子。君子不尽人之歓,不竭人之忠,以全交也。

書き下し

凡そ君の使者為(た)る者は、已に命を受くれば、君の言は家に宿さず。君の言至れば、則ち主人出でて君の言の辱(かたじけな)きを拝す。使者帰れば、則ち必ず門外に拝送す。若し人を君の所に使いせしむれば、則ち必ず朝服してこれに命ず。使者反(かえ)れば、則ち必ず堂を下りて命を受く。 博聞強識にして譲り、善行を敦(あつ)くして怠らざる、これを君子と謂う。君子は人の歓を尽くさず、人の忠を竭(つ)くさず、以て交わりを全うするなり。

現代語訳

およそ君の使者となった者は、命令を受けたら、君の言葉を自分の家に一晩とどめることをせず、すぐに出向く。君の言葉を携えた使者が来れば、主人は門の外まで出て、君の言葉をわざわざ賜ったことを拝謝する。使者が帰るときは、必ず門の外まで出て拝礼して見送る。もし人を君のもとへ使いに出すときは、必ず朝廷に出る正装をしてその者に命じる。使者が戻れば、必ず堂を下りてその返答を受ける。 広く学んでよく記憶しながらもへりくだり、善い行いに篤く努めて怠らない者、これを君子という。君子は、人が自分に向けてくれる好意を尽くさせず、人の真心を使い果たさせない。そうして交わりを長く全うするのである。

解説

前半は君の命令を伝える使者とそれを受ける家の作法、後半は君子の人となりと交わりの心得を述べた段である。君の言葉を家に一晩も置かないのは、命令を受けた者の責任の重さを示すもので、主人が門外まで出て拝し、帰りも門外に送るのは、使者その人ではなく使者が携える君の言葉を敬うためである。君のもとへ使者を出すときに正装して命じ、戻れば堂を下りて返答を受けるのも、同じく君への敬意の表れである。後半の「君子は人の歓を尽くさず、人の忠を竭くさず」は名高い一句で、鄭玄は歓を飲食のもてなし、忠を衣服などの贈り物と注している。孔穎達の疏は、人と交わる者が何もかも相手に出させて尽きさせてしまえば交わりは全うされず、尽きさせないからこそ交わりが保たれると説く。相手の好意に甘えすぎず、求めすぎないことが、長い付き合いを守る知恵だというのである。友人や取引先との関係にも、そのまま通じる心得である。

この章句が説くこと

礼記君子交友使者曲礼

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