礼記 / 曲礼上
父母有疾:冠者不櫛,行不翔,言不惰,琴瑟不御,食肉不至變味,飲酒不至變貌,笑不至矧,怒不至詈。疾止復故。有憂者側席而坐,有喪者專席而坐。 水潦降,不獻魚鱉,獻鳥者佛其首,畜鳥者則勿佛也。獻車馬者執策綏,獻甲者執冑,獻杖者執末。獻民虜者操右袂,獻粟者執右契,獻米者操量鼓,獻孰食者操醬齊,獻田宅者操書致。凡遺人弓者:張弓尚筋,弛弓尚角。右手執簫,左手承弣。尊卑垂帨。若主人拜,則客還辟,辟拜。主人自受,由客之左,接下承弣;鄉與客並,然後受。進劍者左首。進戈者前其鐏,後其刃。進矛戟者前其鐓。進几杖者拂之。效馬效羊者右牽之;效犬者左牽之。執禽者左首。飾羔鴈者以繢。受珠玉者以掬。受弓劍者以袂。飲玉爵者弗揮。凡以弓劍、苞苴、簞笥問人者,操以受命,如使之容。
新字:父母有疾:冠者不櫛,行不翔,言不惰,琴瑟不御,食肉不至変味,飲酒不至変貌,笑不至矧,怒不至詈。疾止復故。有憂者側席而坐,有喪者専席而坐。 水潦降,不献魚鱉,献鳥者仏其首,畜鳥者則勿仏也。献車馬者執策綏,献甲者執冑,献杖者執末。献民虜者操右袂,献粟者執右契,献米者操量鼓,献孰食者操醬斉,献田宅者操書致。凡遺人弓者:張弓尚筋,弛弓尚角。右手執簫,左手承弣。尊卑垂帨。若主人拝,則客還辟,辟拝。主人自受,由客之左,接下承弣;郷与客並,然後受。進剣者左首。進戈者前其鐏,後其刃。進矛戟者前其鐓。進几杖者払之。効馬効羊者右牽之;効犬者左牽之。執禽者左首。飾羔鴈者以繢。受珠玉者以掬。受弓剣者以袂。飲玉爵者弗揮。凡以弓剣、苞苴、箪笥問人者,操以受命,如使之容。
書き下し
父母疾有れば、冠する者は櫛(くしけず)らず、行くに翔(かけ)らず、言うに惰らず、琴瑟御(ぎょ)せず、肉を食らうも味を変ずるに至らず、酒を飲むも貌を変ずるに至らず、笑うも矧(しん)に至らず、怒るも詈(ののし)るに至らず。疾止めば故に復す。憂い有る者は側席して坐し、喪有る者は専席して坐す。 水潦(すいろう)降れば、魚鼈(ぎょべつ)を献ぜず。鳥を献ずる者は其の首を佛(もと)らし、畜鳥の者は則ち佛すること勿かれ。車馬を献ずる者は策綏(さくすい)を執り、甲を献ずる者は冑を執り、杖を献ずる者は末を執る。民虜を献ずる者は右袂(ゆうべい)を操り、粟を献ずる者は右契を執り、米を献ずる者は量鼓(りょうこ)を操り、孰食(じゅくしょく)を献ずる者は醤斉(しょうせい)を操り、田宅を献ずる者は書致を操る。凡そ人に弓を遺(おく)る者は、張弓には筋を尚(うえ)にし、弛弓には角を尚にす。右手に簫(しょう)を執り、左手に弣(ふ)を承く。尊卑垂帨(すいぜい)す。若し主人拝すれば、則ち客還辟(かんぺき)し、拝を辟く。主人自ら受くるには、客の左に由り、下に接して弣を承く。郷(む)きて客と並び、然る後に受く。剣を進むる者は首を左にす。戈を進むる者は其の鐏(そん)を前にし、其の刃を後にす。矛戟を進むる者は其の鐓(たい)を前にす。几杖を進むる者はこれを払う。馬を効(いた)し羊を効す者は右にてこれを牽き、犬を効す者は左にてこれを牽く。禽を執る者は首を左にす。羔鴈(こうがん)を飾る者は繢(かい)を以てす。珠玉を受くる者は掬(きく)を以てす。弓剣を受くる者は袂を以てす。玉爵に飲む者は揮(ふる)わず。凡そ弓剣・苞苴(ほうしょ)・箪笥(たんし)を以て人に問う者は、操りて以て命を受くること、これを使いするの容の如くす。
現代語訳
父母が病気のとき、冠をかぶる年齢の子は髪をくしけずって整えることをせず、歩くときに腕を振って勢いよく歩かず、言葉に投げやりなところを見せず、琴瑟を弾かず、肉を食べても味がわからなくなるほどには食べず、酒を飲んでも顔色が変わるほどには飲まず、笑っても歯ぐきが見えるほどには笑わず、怒っても人をののしるほどには怒らない。病がおさまれば元どおりに戻る。心配ごとのある者は席を斜めにずらして坐り、喪中の者は一人だけの席に坐る。 長雨の季節には、魚やすっぽんを献上しない。鳥を献上する者はその首をねじって後ろに向け、飼いならした鳥の場合はそうしない。車馬を献上する者は鞭と車に乗るための綱を手に持ち、鎧を献上する者は兜を手に持ち、杖を献上する者はその末端を持つ。捕虜を献上する者はその右の袂をつかみ、穀物を献上する者は割り符の右半分を持ち、米を献上する者は升を持ち、調理した食物を献上する者は味噌や調味料を持ち、田地や家屋を献上する者はその証文を持つ。およそ人に弓を贈るときは、弦を張った弓なら筋の側を上にし、弦を外した弓なら角の側を上にする。右手で弓の先端を持ち、左手で弓の握りを下から支える。贈る者と受ける者は身分の上下にかかわらず、腰に下げた手ぬぐいが垂れるほど身をかがめる。主人が拝礼すれば、客は身をめぐらせて退き、その拝礼を避ける。主人が自ら受け取るときは、客の左側から進み、客の手の下から弓の握りを受ける。客と同じ方向を向いて並び、それから受け取る。剣を差し出す者は柄頭を左に向ける。戈(か、長柄の武器)を差し出す者は石突きを前にし、刃を後ろにする。矛や戟を差し出す者は柄の末端を前にする。几や杖を差し出す者は塵を払ってから渡す。馬や羊を献上する者は右手で引き、犬を献上する者は左手で引く。鳥を持つ者は頭を左にする。贈り物にする子羊や雁は彩りのある布で飾る。珠や玉を受け取る者は両手をすくうようにして受ける。弓や剣を受け取る者は袂で受ける。玉の杯で飲む者は杯を振らない。およそ弓や剣、包んだ贈り物、竹の器に入れた品を持って人を見舞う者は、それを捧げ持って主人の言いつけを受け、使者として出向くときの姿と同じにする。
解説
この章句が説くこと
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