礼記 / 曲礼上
餕餘不祭。父不祭子,夫不祭妻。 御同於長者,雖貳不辭,偶坐不辭。 羹之有菜者用梜,其無菜者不用梜。 為天子削瓜者副之,巾以絺。為國君者華之,巾以綌。為大夫累之,士疐之,庶人齕之。
新字:餕余不祭。父不祭子,夫不祭妻。 御同於長者,雖貳不辞,偶坐不辞。 羹之有菜者用梜,其無菜者不用梜。 為天子削瓜者副之,巾以絺。為国君者華之,巾以綌。為大夫累之,士疐之,庶人齕之。
書き下し
餕餘(しゅんよ)は祭らず。父は子を祭らず、夫は妻を祭らず。 長者に御同(ぎょどう)するには、弐(じ)すと雖も辞せず、偶坐には辞せず。 羹の菜有る者は梜(きょう)を用い、其の菜無き者は梜を用いず。 天子の為に瓜を削る者はこれを副(ふく)し、巾(おお)うに絺(ち)を以てす。国君の為にする者はこれを華(か)し、巾うに綌(げき)を以てす。大夫の為にはこれを累(るい)し、士はこれを疐(てい)し、庶人はこれを齕(かじ)る。
現代語訳
他人の食べ残しをいただくときは、食前の祭りをしない。父が子の食べ残しを食べるとき、夫が妻の食べ残しを食べるときも祭りをしない。 年長者と同じ膳のお相伴をするときは、料理を重ねて出されても辞退せず、客の相伴として並んで坐ったときも辞退しない。 羹に野菜が入っているときは箸を用い、野菜が入っていないときは箸を用いない。 天子のために瓜の皮をむく者は四つに割り、細い葛布で覆う。国君のためにむく者は二つに割り、粗い葛布で覆う。大夫のためには割らずに皮をむいて盛り重ね、士のためにはへたを取るだけにし、庶民は丸ごとかじる。
解説
食べ残しの扱い、相伴のときの心得、箸の使い方、そして瓜のむき方という食事の細目を集めた段である。食べ残しを食べるときに祭りをしないのは、鄭玄の注によれば、祭りは食物を盛んにして尊ぶ行為であり、目下の者の残したものにはそれを行わないからである。逆に尊者の残したものを食べるときには祭るという。同じ行為でも、誰の残したものかによって扱いが変わるのである。年長者と同じ膳の相伴では料理を重ねて出されても辞退しないのは、もてなしの主役は年長者であり、自分が辞退してかえって場を乱さないためである。瓜のむき方が天子・国君・大夫・士・庶人の五段階で異なるという規定は、礼が身分に応じて差をつけるものであったことをよく示している。天子には四つ割りにして細布で覆い、庶人は丸かじりにするという対比はいかにも細かいが、同じ瓜一つにも場と相手に応じたふさわしい出し方があるという考え方は、今のもてなしにも通じる。
この章句が説くこと
礼記食礼身分相伴曲礼
関連する章句
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