礼記 / 曲礼上
大夫、士出入君門,由闑右,不踐閾。 凡與客入者,每門讓於客。客至於寢門,則主人請入為席,然後出迎客。客固辭,主人肅客而入。主人入門而右,客入門而左。主人就東階,客就西階。客若降等,則就主人之階。主人固辭,然後客復就西階。主人與客讓登,主人先登,客從之;拾級聚足,連步以上。上於東階,則先右足;上於西階,則先左足。
新字:大夫、士出入君門,由闑右,不践閾。 凡与客入者,毎門譲於客。客至於寝門,則主人請入為席,然後出迎客。客固辞,主人粛客而入。主人入門而右,客入門而左。主人就東階,客就西階。客若降等,則就主人之階。主人固辞,然後客復就西階。主人与客譲登,主人先登,客従之;拾級聚足,連歩以上。上於東階,則先右足;上於西階,則先左足。
書き下し
大夫・士の君門に出入するには、闑(げつ)の右に由(よ)り、閾(しきい)を践まず。 凡そ客と入る者は、門毎に客に譲る。客、寝門に至れば、則ち主人請いて入りて席を為(もう)け、然る後に出でて客を迎う。客固辞すれば、主人客を粛して入る。主人は門に入りて右し、客は門に入りて左す。主人は東階に就き、客は西階に就く。客若し降等なれば、則ち主人の階に就く。主人固辞して、然る後に客復た西階に就く。主人と客と登るを譲り、主人先に登り、客これに従う。級を拾いて足を聚め、歩を連ねて以て上る。東階に上るには、則ち右足を先にし、西階に上るには、則ち左足を先にす。
現代語訳
大夫や士が君の宮門を出入りするときは、門の中央に立つ闑(門中央の柱)の右側を通り、敷居を踏まない。 およそ客とともに門を入る者は、門ごとに客に先を譲る。客が寝門(奥の正殿の門)に着くと、主人は客に断って先に入って席を設け、そのあとで出て客を迎える。客が固く辞退すると、主人は客に会釈して導き入れる。主人は門を入って右へ進み、客は門を入って左へ進む。主人は東の階段へ向かい、客は西の階段へ向かう。客の身分が主人より低ければ、客は主人の側の東の階段へ向かう。主人が固く辞退すると、そのあとで客は改めて西の階段へ向かう。主人と客は階段を上がる順を譲り合い、主人が先に上がり、客がそれに続く。一段ごとに足をそろえ、足を連ねるようにして上がる。東の階段を上がるときは右足から、西の階段を上がるときは左足から踏み出す。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『春秋左氏伝』襄公十三年 譲は礼の主なり君子曰く、「讓は禮の主なり。范宣子讓りて、其の下皆讓る。欒黶汰(おご)ると為すも、敢へて違はず。晉國以て平らかにして、數世之に賴る。善に刑(のつと)ればなり。一人善に刑れば、百姓休和す。務めざるべけんや。書に曰く、『一人慶有れば、兆民之に賴る。其の寧きこと惟れ永し』と。其れ是の謂ひか。周の興るや、其の詩に曰く、『文王に儀刑すれば、萬邦孚を作す』と。善に刑るを言ふなり。其の衰ふるに及びてや、其の詩に曰く、『大夫均しからず、我事に從ひて獨り賢(らう)す』と。讓らざるを言ふなり。世の治まるや、君子は能を尚びて其の下に讓り、小人は農力して以て其の上に事ふ。是を以て上下禮有りて、讒慝黜遠せらる。爭はざるに由るなり。之を懿德と謂ふ。其の亂るるに及びてや、君子は其の功を稱して以て小人に加へ、小人は其の技を伐(ほこ)りて以て君子を馮(しの)ぐ。是を以て上下禮無く、亂虐並び生ず。善を爭ふに由るなり。之を昏德と謂ふ。國家の敝るるは、恆に必ず之に由る」と。
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司馬法・嚴位自ら子(よ)するに循わざるを以てし、賢を争うに以て為し、人其の心を説(よろこ)ばしめ、其の力を效(いた)す。
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司馬法・天子之義上苟も善を伐(ほこ)らざれば、則ち驕らず。下苟も善を伐らざれば、必ず等を亡(な)くす。上下善を伐らざること此くの若きは、譲の至りなり。
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司馬法・天子之義上苟も不善を以て己に在りとせば、必ず其の過ちを悔ゆ。下苟も不善を以て己に在りとせば、必ず其の罪に遠ざかる。上下悪を分かつこと此くの若きは、譲の至りなり。
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『忍経』拔藩益地陳囂、民の紀伯と鄰を為す。伯夜竊かに囂の地を藩して自ら益す。囂之を見、伯の去るを伺ひて後、密かに其の藩一丈を拔き、地を以て伯に益す。伯之を覺り、慚惶して、自ら侵す所を還し、又卻くこと一丈。太守周府君、囂の德義を高しとし、石に刻みて其の閭を旌表し、號して「義里」と曰ふ。
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『忍経』謝罪敦睦・能く忍ぶと忍ぶ能はざるとの間蘇子曰く「高帝の勝つ所以、項籍の敗るる所以は、能く忍ぶと忍ぶ能はざるとの間に在るのみ。項籍は忍ぶ能はず、是を以て百戰百勝して輕しく其の鋒を用ふ。高祖は之を忍び、其の全鋒を養ひて其の弊を待つ」と。 孝友先生朱仁軌、隱居して親を養ひ、常に子弟に誨へて曰く「終身路を讓るも、百步を枉げず。終身畔を讓るも、一段を失はず」と。 吳湊、僚吏は大過に非ずんば榜責せず、召して廷に至らしめて詰り、厚くして之を去らしむ。其の下傳へて相訓勉し、舉げて稽事無し。
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