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礼記 / 曲礼上

帷薄之外不趨,堂上不趨,執玉不趨。堂上接武,堂下布武。室中不翔,並坐不橫肱。授立不跪,授坐不立。 凡為長者糞之禮,必加帚於箕上,以袂拘而退。其塵不及長者,以箕自鄉而扱之。奉席如橋衡。請席何鄉,請衽何趾。席南鄉、北鄉,以西方為上;東鄉、西鄉,以南方為上。

新字:帷薄之外不趨,堂上不趨,執玉不趨。堂上接武,堂下布武。室中不翔,並坐不横肱。授立不跪,授坐不立。 凡為長者糞之礼,必加帚於箕上,以袂拘而退。其塵不及長者,以箕自郷而扱之。奉席如橋衡。請席何郷,請衽何趾。席南郷、北郷,以西方為上;東郷、西郷,以南方為上。

書き下し

帷薄(いはく)の外には趨(はし)らず、堂上には趨らず、玉を執りては趨らず。堂上には武(あしあと)を接し、堂下には武を布く。室中には翔(かけ)らず、並び坐しては肱(ひじ)を横たえず。立てるに授くるには跪かず、坐せるに授くるには立たず。 凡そ長者の為に糞(はら)うの礼は、必ず帚(ほうき)を箕(み)の上に加え、袂(たもと)を以て拘(おお)いて退く。其の塵は長者に及ばず、箕を以て自ら郷けてこれを扱(おさ)む。席を奉ずること橋衡の如くす。席を請うには何れに郷かわんと、衽(じん)を請うには何れに趾(あし)せんと。席の南郷・北郷するは、西方を以て上と為し、東郷・西郷するは、南方を以て上と為す。

現代語訳

帷や簾の外では小走りにならず、堂の上でも小走りにならず、玉を手に持つときも小走りにならない。堂の上では足跡が接するほど小刻みに歩み、堂の下では足跡を離して大股に歩む。室内では腕を広げて翼のように振って歩かず、並んで坐るときは肘を横に張り出さない。立っている人に物を渡すときはひざまずかず、坐っている人に物を渡すときは立ったままにしない。 およそ年長者のために掃除をするときの礼は、必ず箒を塵取りの上に載せて運び、袂で覆うようにして掃きながら後ずさりする。塵が年長者に及ばないように、塵取りを自分の方へ向けて塵を掃き入れる。敷物を捧げ持つときは、はねつるべの横木のように一方を高く一方を低くする。坐る席を敷くときにはどちらに向けるかを尋ね、寝る敷物を敷くときにはどちらに足を向けるかを尋ねる。席が南向きや北向きのときは西の方を上座とし、東向きや西向きのときは南の方を上座とする。

解説

歩き方・物の渡し方・掃除・席の敷き方という、身近な所作の細目を集めた段である。帷の外や堂上、玉を持つときに小走りにならないのは、慌ただしさが敬意を損ない、また大切な玉を落とす恐れがあるからである。堂上では小刻みに、堂下では大股にと歩幅まで場所によって変えるのは、尊者に近い場ほど身を慎むという考えの表れである。立っている人にはひざまずかず、坐っている人には立たずに物を渡すという規定は、相手と目の高さを合わせるという、ごく自然でありながら見落とされがちな気遣いである。年長者のための掃除では、箒を塵取りに載せて運び、塵が相手に飛ばないよう塵取りを自分に向けて掃く。席を敷く前に向きを尋ねるのも、相手の好みを先回りして決めつけない配慮である。こうした細部の積み重ねを「曲礼」と呼ぶのであり、日々の小さな動作に相手への気配りが宿るという点は、今の暮らしでも変わらない。

この章句が説くこと

礼記所作敬長者曲礼

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