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孟子 / 盡心章句下

未之有也。」

書き下し

未だ之れ有らざるなり。」

現代語訳

(仁でない者が天下を手に入れたことは、)いまだかつてないのである。」

解説

「不仁にして国を得る者は之れ有り」に続く結びの一句です。仁でない者が一国を得ることはあっても、天下を得た例はいまだかつてない、と孟子は断言します。一国ならば策略や武力で奪えても、天下は天下の民の心が向かうところにしか定まらないからです。孟子は、桀や紂が天下を失ったのは民の心を失ったからであり、湯王や武王が天下を得たのは民の心を得たからだと繰り返し説きました。王道と覇道を分けるのは、力で服従させるか、徳で心から従わせるかの違いです。現代の組織でも、一時的な成功は手段を選ばずに得られることがありますが、多くの人の心からの支持は、仁と誠実さなしには得られません。大きな仕事ほど、人心の支えが欠かせないのです。

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