導師導古典を学びたいすべての人に

五常訓 / 巻之二・仁之上

一樊遲問仁、子曰愛人。仁は愛をつかさどる。故に仁を行ふの道は、人を愛するにあり。此人の字は、五倫をさして見るべし。人を愛するは、卽人倫を愛する也。人の道は仁を行ふにあり。仁を行ふの道は人を愛するにあり。人を愛せんとならば、まづ心の私を去り、人我のへだて無くして、あはれみの心をおしひろむるにあり。愛人を以て仁を說き給ふ。誠に切實にして、近き敎なり。

新字:一樊遅問仁、子曰愛人。仁は愛をつかさどる。故に仁を行ふの道は、人を愛するにあり。此人の字は、五倫をさして見るべし。人を愛するは、即人倫を愛する也。人の道は仁を行ふにあり。仁を行ふの道は人を愛するにあり。人を愛せんとならば、まづ心の私を去り、人我のへだて無くして、あはれみの心をおしひろむるにあり。愛人を以て仁を説き給ふ。誠に切実にして、近き教なり。

書き下し

一樊遅仁を問ふ、子曰く人を愛すと。仁は愛をつかさどる。故に仁を行ふの道は、人を愛するにあり。此人の字は、五倫をさして見るべし。人を愛するは、即人倫を愛する也。人の道は仁を行ふにあり。仁を行ふの道は人を愛するにあり。人を愛せんとならば、まづ心の私を去り、人我のへだて無くして、あはれみの心をおしひろむるにあり。愛人を以て仁を説き給ふ。誠に切実にして、近き教なり。

現代語訳

樊遅が仁を問うと、孔子は「人を愛することだ」とおっしゃいました。仁は愛をつかさどります。ゆえに仁を行う道は、人を愛することにあります。この「人」の字は、五倫を指していると見るべきです。人を愛するとは、すなわち人倫を愛することです。人の道は仁を行うことにあります。仁を行う道は人を愛することにあります。人を愛そうとするならば、まず心の私を去り、人と自分の隔てをなくして、あわれみの心を押し広めることにあります。人を愛することによって仁を説かれたのは、まことに切実で、身近な教えです。

解説

『論語』顔淵篇の、弟子の樊遅が仁を問い、孔子が「人を愛す」と答えた場面を取り上げています。益軒はこの「人」を五倫、つまり親子・君臣・夫婦・兄弟・朋友という具体的な人間関係と読み、抽象的な博愛ではなく身近な人を愛することだと解釈します。孔子が相手に応じてもっとも身近な言葉で答えたことを「切実で近い教え」と評価しています。立派な理念を語るより、まず目の前の家族や同僚を大切にすることが仁の実践だという教えです。

この章句が説くこと

仁愛論語五倫樊遅

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る