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孟子 / 盡心章句上

公都子曰:「滕更之在門也,若在所禮,而不答,何也?」孟子曰:「挾貴而問,挾賢而問,挾長而問,挾有勛勞而問,挾故而問,皆所不答也。滕更有二焉。」

新字:公都子曰:「滕更之在門也,若在所礼,而不答,何也?」孟子曰:「挟貴而問,挟賢而問,挟長而問,挟有勛労而問,挟故而問,皆所不答也。滕更有二焉。」

書き下し

公都子曰く、「滕更の門に在るや、礼する所に在るが若くして、答へざるは、何ぞや。」孟子曰く、「貴を挟みて問ひ、賢を挟みて問ひ、長を挟みて問ひ、勲労有るを挟みて問ひ、故を挟みて問ふは、皆答へざる所なり。滕更は二有り。」

現代語訳

公都子(こうとし、孟子の弟子)が言った。「滕更(とうこう、滕の君主の弟)が先生の門下にいるのは、礼をもって遇するべき立場のように思われるのに、先生が質問に答えられないのは、なぜか。」孟子は言った。「自分の身分の高さを頼みにして問い、自分の賢さを頼みにして問い、年長であることを頼みにして問い、功労があることを頼みにして問い、昔なじみであることを頼みにして問う者には、どれにも答えないことにしている。滕更にはそのうち二つがある。」

解説

滕の君主の弟である滕更が門下にいながら、孟子が質問に答えなかった理由を語る章です。孟子は、身分、賢さ、年長、功労、旧知の縁を笠に着て問う者には答えないと言い、滕更にはそのうち二つ(身分と賢さとも言われます)があると指摘します。学ぶ者に必要なのは、自分を空しくして教えを請う謙虚さであり、何かを頼みにしている者は、答えを聞いても本当には受け取れないからです。答えないこと自体が一つの教えでもあります。孟子は「教へも亦た術多し」と述べ、教えないことで相手に反省を促す方法もあると説いています。職場でも、肩書きや経験を盾にして質問する人は、答えを確認したいだけで学ぼうとはしていないことがあります。

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