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孟子 / 盡心章句上

孟子曰、天下有道、以道殉身、天下無道、以身殉道。未聞以道殉乎人者也。

書き下し

孟子曰く、「天下、道有れば、道を以て身に殉え、天下、道無ければ、身を以て道に殉う。未だ道を以て人に殉う者を聞かざるなり。」

現代語訳

孟子は言った。 「天下に道が行われている時は、わが身に道を従えて、世に出て大いに活躍するが、天下に道が行われていない時は、道にわが身を従えて、道を守って世に隱れるのがよい。身と道とは常に即しているものであって、自分が守っている正しい道を屈して、俗人に從うなどとは聞いたことがない。」

解説

孟子は「天下に道があれば、道にわが身を従わせて世に出て活躍し、天下に道がなければ、わが身を道に従わせて隠れよ」と説きます。道理を曲げてまで俗世に従うなど聞いたことがない、と言い切る潔さが印象的です。世の中が正しい方向に向かっている時は、自分の能力を社会のために存分に活かすべきですが、世の中が乱れている時は、無理に迎合せず自分の正しい信念を守り抜くことが大切だという教えです。出処進退の基準を、自分の損得ではなく「道」そのものに置く姿勢が孟子らしいところです。現代社会においても、周囲の環境や流行に流されることなく、自分の倫理観や正しいと思う道をしっかりと持ち続ける強さが必要とされています。

この章句が説くこと

信念世の動き迎合しない

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