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明君家訓 / 第16条

家中の士、綺羅を好むべからず、馬、武具、太刀かたなも用に立を尊と可仕候、拵仕立も成程麁相に可仕候、まして常躰の衣裳いかやうにても不苦候、とかく麁相に越たる儀は無之候、但し貴賤により衣裳の式は、別紙に定置候、

新字:家中の士、綺羅を好むべからず、馬、武具、太刀かたなも用に立を尊と可仕候、拵仕立も成程麁相に可仕候、まして常体の衣裳いかやうにても不苦候、とかく麁相に越たる儀は無之候、但し貴賤により衣裳の式は、別紙に定置候、

書き下し

家中の士、綺羅を好むべからず、馬、武具、太刀かたなも用に立を尊と可仕候、拵仕立も成程麁相に可仕候、まして常躰の衣裳いかやうにても不苦候、とかく麁相に越たる儀は無之候、但し貴賤により衣裳の式は、別紙に定置候、

現代語訳

家中の士は、きらびやかな物を好んではならない。馬、武具、太刀、刀も、役に立つことを尊ぶようにしなさい。拵えや仕立ても、できるだけ粗末にしなさい。まして普段の衣装は、どのようなものでも差し支えない。とにかく粗末にまさることはない。ただし、身分の貴賤によって衣装の決まりは、別紙に定め置いてある。

解説

家中の士に対し、華美を戒めて実用を尊ばせる短い一条です。友山は、馬、武具、太刀、刀といった武士の道具でさえ、役に立つことを第一とし、拵えや仕立ても粗末なほうがよいと述べます。普段の衣装はなおのこと、何でも差し支えないと言い、「麁相に越たる儀は無之」と、質素を最上の基準に置きます。ただし身分に応じた衣装の式は別紙で定めてあるとして、秩序を乱さないよう断っています。現代の仕事にあてはめると、装いや道具に費やす手間よりも、機能と目的に即した選択をすべきだという話になります。上に立つ者が見栄えよりも実質を重んじる姿勢を示すと、組織全体の費用意識が整います。

この章句が説くこと

質素実用華美衣装秩序明君家訓

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