明君家訓 / 第17条
家の作事不好、畢竟風雨をさへおほひ候へば、これまた麁相に越たる事は無之候、但し分限により、家の大小は各別にて候、
書き下し
家の作事不好、畢竟風雨をさへおほひ候へば、これまた麁相に越たる事は無之候、但し分限により、家の大小は各別にて候、
現代語訳
家を建てたり修理したりすることを好んではならない。つまるところ、風雨さえ覆えればよいのだから、これもまた粗末にまさることはない。ただし、身分や持ち分によって、家の大小はそれぞれ違いがある。
解説
住まいについても、質素を旨とすべきだと述べる、きわめて短い一条です。家の普請は好まず、風雨さえしのげればよいとし、ここでも「麁相に越たる事は無之」と、前条と同じ基準を貫いています。一方で、分限によって家の大小は各別だと断り、身分に応じた規模を認めています。つまり倹約といっても、一律に小さくせよという話ではなく、役目と持ち分に見合った範囲に収めるという調整です。現代の組織でも、オフィスの改装や設備の新調は、見栄や快適さを追ううちに際限なく膨らみがちです。目的を果たす最低限は何かを問い、立場に応じた適正規模を保つ視点は、経営者や管理職の費用判断に役立ちます。
この章句が説くこと
普請分限倹約必要最小限身分明君家訓
関連する章句
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『明君家訓』第16条家中の士、綺羅を好むべからず、馬、武具、太刀かたなも用に立を尊と可仕候、拵仕立も成程麁相に可仕候、まして常躰の衣裳いかやうにても不苦候、とかく麁相に越たる儀は無之候、但し貴賤により衣裳の式は、別紙に定置候、
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