甲陽軍鑑 / 品第十三
兩上杉中のあしきを北條家にてよろこびの事四ツ氏康譜代衆老若をあはれみ隱居の者をも大小ともに、それ〳〵に扶持しまし〳〵て若者ども家に久しき侍達ち、切符二番目·三番目の子をもよび出し、きりふにて召し遣ひてがら有をば人にとり立てられ候間、此家中老たるも若き親し、も望を存知心がけつよくして、しかも氏康にしみ、此君の用にたち討死仕る命少しも惜からずと思ひ候によりて分 法度なけれど、むさと喧嘩なとさのみなくて一段奥深く見へ候事、五ツと此五ヶ條をもつて長尾いげん入道に申渡す、
新字:両上杉中のあしきを北条家にてよろこびの事四ツ氏康譜代衆老若をあはれみ隠居の者をも大小ともに、それ〳〵に扶持しまし〳〵て若者ども家に久しき侍達ち、切符二番目·三番目の子をもよび出し、きりふにて召し遣ひてがら有をば人にとり立てられ候間、此家中老たるも若き親し、も望を存知心がけつよくして、しかも氏康にしみ、此君の用にたち討死仕る命少しも惜からずと思ひ候によりて分 法度なけれど、むさと喧嘩なとさのみなくて一段奥深く見へ候事、五ツと此五ヶ条をもつて長尾いげん入道に申渡す、
書き下し
両上杉中のあしきを北条家にてよろこびの事四ツ氏康譜代衆老若をあはれみ隠居の者をも大小ともに、それ〳〵に扶持しまし〳〵て若者ども家に久しき侍達ち、切符二番目·三番目の子をもよび出し、きりふにて召し遣ひてがら有をば人にとり立てられ候間、此家中老たるも若き親し、も望を存知心がけつよくして、しかも氏康にしみ、此君の用にたち討死仕る命少しも惜からずと思ひ候によりて分 法度なけれど、むさと喧嘩なとさのみなくて一段奥深く見へ候事、五ツと此五ヶ条をもつて長尾いげん入道に申渡す、
現代語訳
両上杉の仲の悪いのを北条家で喜んでいること、四つ。氏康は譜代衆の老若をあわれみ、隠居の者をも大小ともにそれぞれに扶持なされて、若者どもや家に久しい侍たちの、切符の二番目・三番目の子をも呼び出し、切符で召し遣い、手柄ある者は人に取り立てられるので、この家中は老いた者も若い者も親しく、望みを持ち心がけが強くて、しかも氏康に慕い、この君の用に立ち討死する命は少しも惜しくないと思っているので、法度はなくても、むやみな喧嘩などもさほどなく、ひどく奥深く見えること、五つ。この五か条を長尾いげん入道に申し渡す。
解説
この章句が説くこと
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