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甲陽軍鑑 / 品第十三

いげん入道是を請取よろこび則時に則政公へ申上る故、各々大身衆の次男·三男或はおとゝをい悉く平井へつめて奉公申せとふれらるゝに付き、皆平井へつむるなり、其後又いげん入道思案して管領則政公旗本に三ヶ條の法度を立る一武具其外侍に入道具ふたへに調べき事、一變應大身小身ともに一汁一菜のこと并衣裳紬より上着じからず、一みだりに遊山見物無用の事、と書て諸侍へふれ渡す仕置わかやぎて則政公旗本宜敷相みゆる、

新字:いげん入道是を請取よろこび則時に則政公へ申上る故、各々大身衆の次男·三男或はおとゝをい悉く平井へつめて奉公申せとふれらるゝに付き、皆平井へつむるなり、其後又いげん入道思案して管領則政公旗本に三ヶ条の法度を立る一武具其外侍に入道具ふたへに調べき事、一変応大身小身ともに一汁一菜のこと并衣裳紬より上着じからず、一みだりに遊山見物無用の事、と書て諸侍へふれ渡す仕置わかやぎて則政公旗本宜敷相みゆる、

書き下し

いげん入道是を請取よろこび則時に則政公へ申上る故、各々大身衆の次男·三男或はおとゝをい悉く平井へつめて奉公申せとふれらるゝに付き、皆平井へつむるなり、其後又いげん入道思案して管領則政公旗本に三ヶ条の法度を立る一武具其外侍に入道具ふたへに調べき事、一変応大身小身ともに一汁一菜のこと并衣裳紬より上着じからず、一みだりに遊山見物無用の事、と書て諸侍へふれ渡す仕置わかやぎて則政公旗本宜敷相みゆる、

現代語訳

いげん入道はこれを受け取って喜び、すぐに則政公へ申し上げたので、各々大身衆の次男・三男あるいは弟・甥をことごとく平井へ詰めて奉公せよと触れられ、皆平井へ詰めるのである。その後またいげん入道は思案して、管領則政公の旗本に三か条の法度を立てる。一、武具そのほか侍に要る道具は二重に調えること。一、大身小身ともに一汁一菜のこと、ならびに衣装は紬より上を着てはならない。一、みだりに遊山見物は無用のこと。と書いて諸侍へ触れ渡したので、仕置きが若やいで、則政公の旗本はよろしく見えた。

解説

報告を受けたいげん入道は、すぐに手を打つ。大身衆の子弟を平井に詰めさせて心の離反を防ぎ、旗本には武具を二重に備え、質素を守り、遊山を慎む三か条を定めた。するとたちまち仕置きが若返ったように見えた。正確な情報が上がり、それを受けて手が打たれれば、組織は短期間でも立て直せる。報告を受けた後の動きの速さこそが肝心である。情報と手当てが一つながりになっている。

この章句が説くこと

法度規律質素家老備え立て直し

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