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講孟余話 / 離婁上 第四章

反求諸己家之本在身、反求ノ二字聖經賢傳百千万言ノ歸着スル所ナリ、在身ノ二字モ亦同シ工夫ナリ、天下ノ事大事小事此道ヲ離レテ成ルコトナシ、大四海ヲ包ミ剛金石ヲ貫ク、豈復タ他道アランヤ、下二章ノ大議論ト云トモ此二章ニ外ナラズ

新字:反求諸己家之本在身、反求ノ二字聖経賢伝百千万言ノ帰着スル所ナリ、在身ノ二字モ亦同シ工夫ナリ、天下ノ事大事小事此道ヲ離レテ成ルコトナシ、大四海ヲ包ミ剛金石ヲ貫ク、豈復タ他道アランヤ、下二章ノ大議論ト云トモ此二章ニ外ナラズ

書き下し

「反りて諸を己に求む」。「家の本は身に在り」。「反求」の二字、聖経賢伝百千万言の帰着する所なり。「在身」の二字も亦同じ工夫なり。天下の事、大事小事此の道を離れて成ることなし。大は四海を包み、剛は金石を貫く。豈に復た他道あらんや。下二章の大議論と云へども、此の二章に外ならず。

現代語訳

「うまくいかないときは、振り返って原因を自分に求める」。「家の根本は自分の身にある」。この「反求」(自分に振り返って求める)の二字は、聖人の経書や賢人の注釈の千言万語が行き着くところである。「在身」(根本は身にある)の二字もまた同じ工夫である。天下の事は、大きな事も小さな事も、この道を離れて成し遂げられることはない。その大きさは天下を包み、その強さは金や石をも貫く。どうしてほかの道があろうか。後に続く二章の大議論といえども、この二章の外に出るものではない。

解説

孟子は、人を愛しても親しまれず、治めても治まらず、礼を尽くしても返されないときは、すべて自分に振り返って原因を求めよと説き、続いて天下の本は国に、国の本は家に、家の本は身にあると言いました。松陰はこの「反求」と「在身」を、聖賢の膨大な言葉が最後に行き着く一点だと言い切ります。大事も小事もこの道を離れては成らない、と。人や環境のせいにする前に、まず自分を見直す。最も単純で最も難しいこの工夫が、松陰の学問の土台になっています。うまくいかないときに最初に立ち返る場所として覚えておきたい言葉です。

この章句が説くこと

反求自省修身在身孟子

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