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国語 / 晋語九

衛莊公禱,曰:「曾孫蒯聵以諄趙鞅之故,敢昭告于皇祖文王、烈祖康叔、文祖襄公、昭考靈公,夷請無筋無骨,無面傷,無敗用,無隕懼,死不敢請。」簡子曰:「志父寄也。」

新字:衛荘公祷,曰:「曽孫蒯聵以諄趙鞅之故,敢昭告于皇祖文王、烈祖康叔、文祖襄公、昭考霊公,夷請無筋無骨,無面傷,無敗用,無隕懼,死不敢請。」簡子曰:「志父寄也。」

書き下し

衛の荘公禱(いの)りて曰く、「曾孫蒯聵(かいかい)、趙鞅(ちょうおう)を諄(たす)くるの故を以て、敢えて皇祖文王・烈祖康叔(こうしゅく)・文祖襄公・昭考霊公に昭告す。夷(やぶ)るるも、請う、筋無く、骨無く、面傷無く、敗用無く、隕懼(いんく)無からんことを。死は敢えて請わず」と。簡子曰く、「志父(しほ)寄せん」と。

現代語訳

衛の荘公(衛の太子蒯聵、晋に亡命し趙簡子の車右となっていた)が、戦いを前に祈って言った。「曾孫の蒯聵は、趙鞅をお助けするために戦うにあたり、謹んで偉大なる祖の文王、輝かしき祖の康叔、文徳ある祖父の襄公、明らかなる父の霊公に申し上げます。戦えば傷を負うことは避けられませんが、どうか筋を断たれず、骨を折らず、顔に傷を受けず、武器を損なわず、恐れて取り乱すことのないようにお守りください。死ぬか生きるかについては、あえてお願いいたしません。」趙簡子は言った。「この志父(簡子の名)の祈りも、そこに託そう。」

解説

前章と同じ鉄の戦いの直前、晋に亡命していた衛の太子蒯聵が、趙簡子の車右として戦に臨み、祖先に祈った言葉である。『春秋左氏伝』哀公二年にも、文言は少し異なるが同じ祈りが載る。蒯聵は文王から父霊公までの祖先に呼びかけ、傷は負ってもよいが筋を断たれず骨を折らず、顔を傷つけず、武器を失わず、怖じ気づかないようにと願い、生死だけは神に任せて請わないと結ぶ。韋昭は「死は敢えて請わず」を、生死は神に帰して願わない意とし、簡子の「志父寄せん」を、自分の願いもそこに寄せる意と解する。恐れを具体的に言葉にし、そのうえで結果は天に委ねるという覚悟の示し方である。ただし蒯聵はのちに衛に帰って君位を奪い、やがて国を追われることになる。大事の前に、自分が何を願い何を委ねるかを言葉にしてみる意味を考えさせる章である。

この章句が説くこと

国語晋語祈り覚悟衛

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