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国語 / 晋語六

鄢之役,晉人欲爭鄭,范文子不欲,曰:「吾聞之,為人臣者,能內睦而後圖外,不睦內而圖外,必有內爭,盍姑謀睦乎!考訊其阜以出,則怨靖。」

新字:鄢之役,晋人欲争鄭,范文子不欲,曰:「吾聞之,為人臣者,能内睦而後図外,不睦内而図外,必有内争,盍姑謀睦乎!考訊其阜以出,則怨靖。」

書き下し

鄢の役、晋人鄭を争わんと欲す。范文子欲せずして曰く、「吾之を聞く、人臣為る者は、能く内睦(むつ)みて後に外を図る。内睦まずして外を図れば、必ず内争有り。盍(なん)ぞ姑(しばら)く睦まんことを謀らざる。其の阜(しゅう)を考訊(こうじん)して以て出でば、則ち怨み靖(やす)んぜん」と。

現代語訳

鄢陵の戦いのとき、晋の人々は楚と鄭を争おうとした。范文子は気が進まず、こう言った。「わたしはこう聞いている。人の臣たる者は、まず内で睦み合ってから外のことを図るものだ、と。内で睦み合わないまま外を図れば、必ず内輪の争いが起こる。どうして、ひとまず互いに睦み合うことを考えないのか。そのうえで民衆によく問いただし、国の実情をつかんでから兵を出すならば、怨みも鎮まるだろう。」

解説

鄢陵の戦いを前に、楚と鄭を争おうとする晋の大夫たちに、范文子が説いた短い言葉である。要点は「内睦みて後に外を図る」の一句に尽きる。国内、とりわけ卿大夫どうしが睦み合っていないまま外に打って出れば、戦の勝ち負けにかかわらず、必ず内輪の争いが起こるというのである。韋昭注は「考訊其阜」を、まず内で親しみ合い、そのうえで百姓に問うて国の虚実を知り、それから兵を出せば怨みはおのずから静まる、と読む。この時期の晋では、欒氏と郤氏をはじめとする卿の家どうしの確執がくすぶり、厲公も寵臣を取り立てて大夫たちを抑えようとしていた。范文子の懸念はこの後の数章で繰り返し語られ、やがて現実となる。外に成果を求める前に、足もとの人間関係を整えよ。新しい市場に打って出る前に、社内の不和を放置していないかを問う言葉である。

この章句が説くこと

国語晋語内睦和内争

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