言志四録 / 南洲手抄
三軍不和、難以言戰。百官不和、難以言治。書云、同寅協恭和衷哉。唯一和字、串治亂。
新字:三軍不和、難以言戦。百官不和、難以言治。書云、同寅協恭和衷哉。唯一和字、串治乱。
書き下し
三軍和せずば、以て戦を言ひ難し。百官和せずば、以て治を言ひ難し。書に云ふ、寅を同じうし恭を協せ和衷せよやと。唯だ一の和字、治乱を一串す。
現代語訳
全軍が和合していなければ、戦を語ることはできない。百官が和合していなければ、政治を語ることはできない。『書経』に「敬いを同じくし、慎みを合わせ、心を和合させよ」とある。ただ「和」の一字が、治まると乱れるとを貫いて決めるのだ。
解説
組織の成否を分けるものは「和」の一字だと説いた一条です。どれほど兵力があっても軍が和合しなければ戦えず、どれほど有能でも官僚が和合しなければ政治は成らない。『書経』の言葉を引き、「和」こそが治乱を貫いて決する鍵だと結びます。三十番の「信が上下に通じれば難事はない」とも響き合う、組織論の要諦です。戦略や能力以前に、まず内部が和しているか——チームの一体感が成果を左右することは、現代の組織にもそのまま当てはまります。仕組みや個の力に目が向きがちな私たちに、根本は「和」だと思い出させる一条です。
この章句が説くこと
和組織団結書経
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