国語 / 魯語上
哀姜至,公使大夫、宗婦覿用幣。宗人夏父展曰:「非故也。」公曰:「君作故。」對曰:「君作而順則故之,逆則亦書其逆也。臣從有司,懼逆之書於後也,故不敢不告。夫婦贄不過棗、栗,以告虔也。男則玉、帛、禽、鳥,以章物也。今婦執幣,是男女無別也。男女之別,國之大節也,不可無也。」公弗聽。
新字:哀姜至,公使大夫、宗婦覿用幣。宗人夏父展曰:「非故也。」公曰:「君作故。」対曰:「君作而順則故之,逆則亦書其逆也。臣従有司,懼逆之書於後也,故不敢不告。夫婦贄不過棗、栗,以告虔也。男則玉、帛、禽、鳥,以章物也。今婦執幣,是男女無別也。男女之別,国之大節也,不可無也。」公弗聴。
書き下し
哀姜(あいきょう)至る。公大夫・宗婦をして覿(まみ)えしむるに幣を用う。宗人夏父展(かほてん)曰く、「故に非ざるなり」と。公曰く、「君故を作す」と。対えて曰く、「君作して順なれば則ち之を故とし、逆なれば則ち亦其の逆を書す。臣有司に従う、逆の後に書されんことを懼る、故に敢えて告げずんばあらず。夫れ婦の贄は棗・栗に過ぎず、以て虔(つつし)みを告ぐるなり。男は則ち玉・帛・禽・鳥、以て物を章(あきら)かにするなり。今婦幣を執る、是れ男女別無きなり。男女の別は、国の大節なり。無かるべからざるなり」と。公聴かず。
現代語訳
哀姜(斉から嫁いだ荘公の夫人)が魯に着いた。荘公は大夫たちと同族の大夫の妻たちに、幣(玉や絹の礼物)を手土産として夫人に目通りさせた。宗人(礼をつかさどる官)の夏父展が言った。「これは古くからのしきたりではありません。」荘公は言った。「君が行えば、それがしきたりになるのだ。」夏父展は答えた。「君が行うことが道理にかなっていれば、それをしきたりとしますが、道理に背いていれば、背いたこともまた記録されます。私は役人の末席に連なる者として、道理に背いたことが後の世に記録されるのを恐れます。だから申し上げずにはいられないのです。そもそも婦人の手土産はなつめや栗にすぎず、つつしみの心を示すものです。男子は玉・絹・獣・鳥で、身分の違いを明らかにします。いま婦人が幣を手にすれば、男女の区別がなくなります。男女の区別は国の大切なけじめであり、なくしてはなりません。」荘公は聞き入れなかった。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
論語・八佾篇子、太廟に入り、事毎に問う。或曰く、『誰か鄒人の子を礼を知ると謂うや、太廟に入りて事毎に問う。』子これを聞きて曰く、『是れ礼なり。』
-
論語・八佾篇子曰く、『夏の礼、吾能く之を言う。杞は徵すに足らず。殷の礼、吾能く之を言う。宋は徵すに足らず。文献足らざる故なり。足らば、則ち吾能く之を徵せん。』
-
論語・学而篇有子曰く、「礼の用は和を貴しと為す。先王の道も斯を美と為す。小大之に由れども、行われざる所有り。和を知りて和すれども、礼を以て之を節せざれば、亦行う可からざるなり。」
-
論語・八佾篇孔子季氏を謂う、「八佾庭に舞わす。是れをも忍ぶ可くんば、孰れをか忍ぶ可からざらん。」
-
論語・八佾篇子曰く、君に事えて礼を尽くせば、人以て諂いと為すなり。
-
論語・八佾篇林放礼の本を問う。子曰く、「大なるかな問いや。礼は其の奢らんよりは、寧ろ倹せよ。喪は其の易めんよりは、寧ろ戚めよ。」
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る