国語 / 周語上
宣王既喪南國之師,乃料民於太原。仲山父諫曰:「民不可料也!夫古者不料民而知其少多,司民協孤終,司商協民姓,司徒協旅,司寇協姦,牧協職,工協革,場協入,廩協出,是則少多、死生、出入、往來者皆可知也。於是乎又審之以事,王治農於籍,蒐于農隙,耨穫亦於籍,獮於既烝,狩於畢時,是皆習民數者也,又何料焉?不謂其少而大料之,是示少而惡事也。臨政示少,諸侯避之。治民惡事,無以賦令。且無故而料民,天之所惡也,害於政而妨於後嗣。」王卒料之,及幽王乃廢滅。
新字:宣王既喪南国之師,乃料民於太原。仲山父諫曰:「民不可料也!夫古者不料民而知其少多,司民協孤終,司商協民姓,司徒協旅,司寇協姦,牧協職,工協革,場協入,廩協出,是則少多、死生、出入、往来者皆可知也。於是乎又審之以事,王治農於籍,蒐于農隙,耨穫亦於籍,獮於既烝,狩於畢時,是皆習民数者也,又何料焉?不謂其少而大料之,是示少而悪事也。臨政示少,諸侯避之。治民悪事,無以賦令。且無故而料民,天之所悪也,害於政而妨於後嗣。」王卒料之,及幽王乃廃滅。
書き下し
宣王既に南国の師を喪(うしな)い、乃ち民を太原に料(はか)る。仲山父(ちゅうざんほ)諫めて曰く、「民は料る可からざるなり。夫れ古は民を料らずして其の少多を知る。司民は孤終を協(あわ)せ、司商は民姓を協せ、司徒は旅を協せ、司寇は姦を協せ、牧は職を協せ、工は革を協せ、場は入を協せ、廩(りん)は出を協す。是れ則ち少多・死生・出入・往来する者、皆知る可きなり。是に於いてか又之を審らかにするに事を以てす。王は農を籍に治め、農隙(のうげき)に蒐(しゅう)し、耨穫(どうかく)も亦籍に於いてし、既に烝(のぼ)すに獮(せん)し、畢(おわ)る時に狩す。是れ皆民数を習う者なり、又何ぞ料らん。其の少なきを謂わずして大いに之を料るは、是れ少なきを示して事を悪(にく)むなり。政に臨みて少なきを示さば、諸侯之を避けん。民を治めて事を悪まば、以て令を賦すること無からん。且つ故無くして民を料るは、天の悪む所なり。政に害ありて後嗣を妨げん」と。王卒(つい)に之を料る。幽王に及びて乃ち廃滅す。
現代語訳
宣王は南国(長江・漢水の一帯)から集めた軍を失ったので、太原で民の数を調べようとした。仲山父が諫めて言った。「民の数を調べてはなりません。そもそも昔は、民の数を調べなくとも、その多い少ないを知っていました。司民(戸籍の官)は親を失った子や死者を帳簿に合わせ、司商(姓を定める官)は生まれた子の姓を合わせ、司徒は軍の兵員を合わせ、司寇は罪人の数を合わせ、牧人は家畜の数を合わせ、百工の官は器物の作り替えを合わせ、場人は庭園の収穫の入りを合わせ、廩人は穀物の出を合わせていました。これで人の多寡も、生き死にも、出入りも、往来も、すべて知ることができたのです。そのうえさらに、行事によってそれを確かめました。王は籍田で農事を治め、農閑期には春の狩りをし、草取りや刈り入れも籍田で行い、穀物が実って祭ったあとに秋の狩りをし、農事が終わった時に冬の狩りをします。これらはみな、民の数を自然に確かめる機会なのです。どうしてあらためて調べる必要がありましょう。数が少ないと言われもしないのに大がかりに調べれば、民が少ないことを天下に示し、しかも政事を厭っていると見られます。政治に臨んで民の少なさを示せば、諸侯は王を避けて離れていくでしょう。民を治めるのに政事を厭えば、命令を下すこともできなくなります。そのうえ、理由もなく民の数を調べるのは、天の憎むところです。政治を損ない、子孫の代にまで害を及ぼしましょう」。王は結局民の数を調べた。そして幽王の代に至って、周は廃れ滅んだ。
解説
この章句が説くこと
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『都鄙問答』卷之一・武士ノ道ヲ問ノ段露塵ほども我が身を顧みざるは、臣の道なり。常に手足が口に使はるると、我が身の君に事ふると、違ふことあらば、此は不忠なりと知るべし。此を法とせば、何国にて仕ふるとも、臣の道を離るることあるべからず。扨て臣は政に従ふものなり。下を使ふは、君の道を以て治むべし。古聖人の御代には、君としては万民を子の如く思し召し、民の心を以て、御心となし玉ふ。伝に云ふ、民の好む所は之を好み、民の悪む所は之を悪む、此を之れ民の父母と謂ふ。此のゆへに、聖人は世を没し玉へども、民思ひ慕ひてわすれずと云へり。此の味を知るべし。忠義の臣は名を後世に残し、天下の人これを愛す。礼に曰く、士四十にして志強く立ち、利害に奪はれず、禍福に怵れずんば、以て出で仕ふべし、と見えたり。士の道は、先づ心を知りて志を定むべし。孟子曰く、志を尚くす。
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