呻吟語 / 外篇・治道・民と安の二つ
取天下,守天下,只在一種人上加意念,一個字上做工夫。一種人是那個?曰民。一個字是甚麼?曰安。
書き下し
天下を取り、天下を守るは、只だ一種の人の上に意念を加へ、一個の字の上に工夫を做すに在り。一種の人は是れ那個ぞ。曰く民。一個の字は是れ甚麼ぞ。曰く安。
現代語訳
天下を取るのも守るのも、ただ一種類の人に心を向け、一つの字に工夫をすることにあります。一種類の人とは誰か。民です。一つの字とは何か。安です。
解説
天下の取得と維持を、二つの言葉に絞ります。対象は民、目的は安。取るときも守るときも同じだとされているのが要点で、局面が変わっても軸は変わりません。問答の形で置かれているので覚えやすく、治道篇の長い議論の芯を取り出した一段になっています。前に出てきた、平らかであれば安らかだという段と繋がります。問答の形なので、そのまま覚えて持ち歩けます。
この章句が説くこと
民安取守芯一貫
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