呻吟語 / 外篇・治道・皆な吾が民なり
天下之民皆朝廷之民,皆天地之民,皆吾民。
書き下し
天下の民は皆な朝廷の民なり、皆な天地の民なり、皆な吾が民なり。
現代語訳
天下の民はみな朝廷の民であり、みな天地の民であり、みな自分の民です。
解説
民の帰属を、三段で重ねます。朝廷の民、天地の民、そして自分の民。範囲が広がっていくのではなく、同じ人が三重に数えられています。だから誰も自分と無関係にはなりません。管轄の外だという言い逃れを封じる形で、前に出てきた、宇宙のうちはみな儒者の仕事だという段と同じ立場が、民の側から述べられた一段になっています。
この章句が説くこと
民三重帰属管轄我が民
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『正法眼蔵随聞記』巻三有る夜示して云く、唐の太宗即位の後、故殿に栖み給へり、破損せる故に、湿気あがり、風霧冷かにして、玉体おかされつべし、臣下等造作すへき由を奏しければ、帝の言く、時き農節なり、民定めて愁ひあるべし、秋を待て造るべし、湿気に侵さるは地にうけられず、風雨に侵さるは天に合はざるなり、天地に背かば身あるべからず、民を煩はさずんば自ら天地に合ふべし、天地に合はゝ身を侵すべからず、と云ふて終に新宮を作らず、故殿に栖み給へり、
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