韓非子 / 飭令第五十三
飭令則法不遷,法平則吏無姦。法已定矣,不以善言害法。
書き下し
令を飭ふれば則ち法遷らず、法平らかなれば則ち吏に姦無し。法已に定まれば、善言を以て法を害せず。
現代語訳
命令を整えれば法はぶれず、法が公平であれば役人に不正はない。法がいったん定まったら、耳に心地よい言葉によって法を損なってはならない。
解説
飭令篇の冒頭の一句です。飭令篇は『商君書』の靳令篇とほぼ同じ文章で、商鞅の学派の文章が韓非子に取り込まれたものと考えられています。命令を整えて法がぶれないようにし、法が公平なら役人の不正は起きない。そして法がいったん定まったら、どんなにもっともらしい言葉が出てきても、それを理由に法を曲げてはならない、と説きます。今の組織でも、一度決めたルールを、声の大きい人のうまい言い分や情に訴える説得で例外扱いにし始めると、ルールは信頼を失います。変えるなら正式な手続きで変え、運用では曲げない、という原則を思い出させてくれます。
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