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韓非子 / 說林下二十三

此《周書》所謂「下言而上用者,惑也。」

書き下し

此れ周書の所謂「下言にして上用する者は惑なり」と。

現代語訳

これが『周書』のいわゆる「卑近に見える言葉が実は上等の用を果たす、それに人は惑う」というものである。

解説

伯楽が、嫌いな者には千里の名馬の見分け方を、好きな者には駄馬の見分け方を教えたという直前の既存の章句を受けて、『周書』の句で締めくくる一文です。名馬は滅多に売買されないので利が遅く、駄馬は毎日売れるので利が速い。一見、格の高い名馬の目利きを教える方が厚遇に見えますが、実際に役立つのは身近で卑しく見える駄馬の目利きの方でした。見かけの格と実際の効用が逆になることに人は惑う、という指摘です。この『周書』は今の『尚書』には見えない逸文で、読みには諸説があります。研修や配属でも、見栄えのよい仕事より日々使われる地味な技能の方が、本人の身を立てることがあります。

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