韓非子 / 主道第五
䟽賤必賞,近愛必誅,則䟽賤者不怠,而近愛者不驕也。
書き下し
疏賤も必ず賞し、近愛も必ず誅すれば、則ち疏賤の者も怠らずして、近愛の者も驕らざるなり。
現代語訳
疎遠で身分の低い者でも功があれば必ず賞し、身近で寵愛する者でも罪があれば必ず罰すれば、疎遠で身分の低い者も怠けず、身近で寵愛される者も驕り高ぶらない。
解説
主道篇の結びで、賞罰を身分や親しさで変えないことの効果を、短く言い切った句です。遠く賤しい者にも必ず賞があると分かれば、目立たない立場の人も手を抜かなくなり、近く寵愛される者にも必ず罰があると分かれば、側近も驕らなくなります。賞罰が人によって変わると、遠い者はどうせ報われないと怠け、近い者はどうせ許されると驕る、という逆の効果が生まれます。これは法家が儒家の親疎に応じた愛を批判する根拠でもあります。職場でも、本社から遠い現場の成果を正当に評価し、経営陣に近い人の不始末を見逃さないことが、組織全体の規律を支えます。
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