言志四録 / 言志録 第四十九条 賞罰に私を容れず
助天工者。我從而賞之。戕天物者。我從而罰之。人君非容私焉。
新字:助天工者。我従而賞之。戕天物者。我従而罰之。人君非容私焉。
書き下し
天工を助くる者は、我従ひて之を賞す。天物を戕ふ者は、我従ひて之を罰す。人君は私を容るるに非ず。
現代語訳
天の働きを助ける者は、天に従ってこれを賞する。天の物を損なう者は、天に従ってこれを罰する。君主が私情を差し挟むのではない。
解説
「天工」は書経の皋陶謨にある「天工、人其れ之に代る」に基づく語で、天のなすべき仕事を人が代わって行うという意味です。一斎は、賞罰もまた君主の気分や好みで決めるものではなく、天の働きを助けたか、天の物を損なったかという基準に「従って」行うものだと言います。「我従ひて」の一語に、君主は基準の持ち主ではなく、それに従う者にすぎないという考えが込められています。前の条で見た「土地人民は天物なり」と同じ筋の議論です。評価や人事の場面で、判断の基準が自分の好き嫌いになっていないか、組織が大事にしているものに照らして決めているか。人を評価する立場にある人が振り返るきっかけになる一条です。
この章句が説くこと
賞罰公正無私天工評価
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