韓非子 / 愛臣第四
此明君之所以禁其邪。是故不得四從,不載奇兵;非傳非遽,載奇兵革,罪死不赦。此明君之所以備不虞者也。
新字:此明君之所以禁其邪。是故不得四従,不載奇兵;非伝非遽,載奇兵革,罪死不赦。此明君之所以備不虞者也。
書き下し
此れ明君の其の邪を禁ずる所以なり。是の故に四従を得ず、奇兵を載せず。伝に非ず遽に非ずして、奇兵革を載すれば、罪死して赦さず。此れ明君の不虞に備ふる所以の者なり。
現代語訳
これが、明君が臣下の邪悪を禁じる方法である。だから臣下には四頭立ての車で供を連れ回すことを許さず、余分な武器を積ませない。公用の伝馬や早馬でもないのに武器や鎧を積んでいれば、死罪にして赦さない。これが、明君が思いがけない事態に備える方法である。
解説
愛臣篇の結びで、明君は臣下の私的な武装を厳しく禁じて、不測の事態に備えると述べる一節です。臣下が車を連ねて従者を引き連れたり、公務でもないのに武器を積んだりすることを許さず、違反すれば死罪とします。「伝」「遽」は公用の駅伝の車馬のことで、公務以外で武力を動かすことを封じる趣旨です。前段の、臣下が富み強くなりすぎて国を傾けるという議論を受け、具体的な予防策を示しています。組織に置き換えれば、公式の権限の外で人や資源を動かせる仕組みを放置しないことです。私的な動員力は、平時には見えにくく、危機のときに一気に表に出てきます。
関連する章句
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『韓非子』愛臣第四兄弟服せざれば、必ず社稷を危ふくす。臣聞く、千乗の君備へ無ければ、必ず百乗の臣其の側に在りて、以て其の民を徙して其の国を傾くる有り。万乗の君備へ無ければ、必ず千乗の家其の側に在りて、以て其の威を徙して其の国を傾くる有り。
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『韓非子』愛臣第四黨與衆しと雖も、士卒を臣とするを得ず。故に人臣の國に處るや私朝無く、軍に居るや私交無く、其の府庫は私かに家に貸すを得ず。
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