太上感応篇 / 悪行・人の能を竊み、人の善を蔽ふ
以惡易好,以私廢公,竊人之能,蔽人之善;形人之醜,訐人之私;耗人貨財,離人骨肉;
新字:以悪易好,以私廃公,窃人之能,蔽人之善;形人之醜,訐人之私;耗人貨財,離人骨肉;
書き下し
悪を以て好きに易へ、私を以て公を廃す。人の能を竊み、人の善を蔽ふ。人の醜を形し、人の私を訐く。人の貨財を耗らし、人の骨肉を離す。
現代語訳
悪いものを良いものと取り替え、私情のために公のことを取りやめます。人の手柄を盗み、人の善い行いを覆い隠します。人の醜いところを人前にさらし、人の私事を暴き立てます。人の財産をすり減らし、人の肉親の仲を裂きます。
解説
人から奪う悪のうち、目に見えにくいものを並べた段です。以私廃公は、私情のために公の筋を通さないこと。窃人之能は手柄の横取りで、これは今でも組織でもっとも起こりやすい罪でしょう。そして蔽人之善が続きます。人の善い行いを覆い隠す、つまり人が良いことをしたのを、なかったことにする行いです。積極的に害を加えるわけではないので罪の意識が薄いのですが、この書はわざわざ独立の項目として立てました。人の働きを見ないことにする上司の下で、良い働きが続くことはありません。後半の離人骨肉も、直接の暴力によらず人の関係を壊す罪です。
この章句が説くこと
横取り私情公私暴露離間
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