太上感応篇 / 悪行・直を以て曲と為し、曲を以て直と為す
殺人取財,傾人取位;誅降戮服,貶正排賢;凌孤逼寡,棄法受賂;以直為曲,以曲為直;
書き下し
人を殺して財を取り、人を傾けて位を取る。降れるを誅し服せるを戮し、正しきを貶して賢を排す。孤を凌ぎ寡に逼り、法を棄てて賂を受く。直を以て曲と為し、曲を以て直と為す。
現代語訳
人を殺してその財産を奪い、人を陥れてその地位を奪います。降伏した者を殺し、従った者を斬り、正しい人を退けて賢い人を押しのけます。みなしごをしいたげ、やもめに迫り、法を捨てて賄賂を受け取ります。まっすぐなものを曲がっているとし、曲がったものをまっすぐだとします。
解説
奪う悪をまとめた段で、財と地位という、人がもっとも争うものから始まります。誅降戮服は、降伏した相手を殺すこと。勝負がついたあとに手を下す行いを、古来もっとも恥ずべきこととしました。凌孤逼寡は、この書が善行の段でも真っ先に挙げたみなしごとやもめに、今度は逆から迫る行いです。最後の以直為曲、以曲為直が、この段の締めくくりになっています。賄賂を取ることそのものより、白と黒を入れ替えて平然としていることのほうが重い、という並べ方です。事実を都合で書き換える癖がついた組織は、どこかで必ず判断を誤ります。
この章句が説くこと
収賄曲直簒奪弱者法
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