太上感応篇 / 善行・昆虫草木すら猶ほ傷つくべからず
矜孤恤寡,敬老懷幼;昆蟲草木,猶不可傷。宜憫人之凶,樂人之善;濟人之急,救人之危。
新字:矜孤恤寡,敬老懐幼;昆虫草木,猶不可傷。宜憫人之凶,楽人之善;済人之急,救人之危。
書き下し
孤を矜れみ寡を恤み、老を敬ひ幼を懐く。昆虫草木すら、猶ほ傷つくべからず。宜しく人の凶を憫み、人の善を楽しむべし。人の急を済ひ、人の危ふきを救ふ。
現代語訳
みなしごを哀れみ、やもめを気づかい、老人を敬い、幼い者をいたわります。虫や草木でさえ、むやみに傷つけてはなりません。人の不幸を痛み、人の善い行いを我がことのように喜ぶべきです。人の急場を救い、人の危ういところを助けます。
解説
善行の目録が、弱い立場の者から始まっている段です。みなしご、やもめ、老人、幼児と並べ、さらに虫や草木にまで及ぼします。相手が弱ければ弱いほど、こちらの本性が出るという見方でしょう。中ほどの一句が、この書のなかでも特に厳しいところです。人の不幸を憫み、人の善を楽しむ。不幸を憐れむのは難しくありませんが、他人の善い行いを素直に喜ぶのは、それよりずっと難しい。だからわざわざ並べて書いたのだと思われます。同僚の手柄を聞いたときに最初に湧く感情を見れば、自分がどこにいるかが分かります。
この章句が説くこと
慈悲弱者嫉妬共感善
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