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人物志 / 八觀

夫察似明非,御情之反,有似理訟,其實難別也。

新字:夫察似明非,御情之反,有似理訟,其実難別也。

書き下し

夫れ似たるを察して非なるを明らかにし、情の反を御するは、訟を理むるに似たる有り、其の実は別ち難きなり。

現代語訳

そもそも、似ているものを察して本物でないことを明らかにし、本心とは反対に装われた情を見抜いて扱うことは、訴訟を裁くことに似たところがあり、その実情はなかなか見分けがたい。

解説

似て非なるもの、非に似て是なるものを並べた後、その見分けの難しさを訴訟の裁きにたとえた一節である。訴訟では双方がもっともらしい言い分を述べ、どちらが真実かは表からは分からない。人物の観察も同じで、表に出た言動が本心と反対に装われていることがあり、見かけの似姿から実を取り出すのは容易でない。この後、劉劭は「天下の至精に非ずんば、其れ孰か能く其の実を得ん」と続け、よほどの洞察力がなければできないと言う。人事の場面でも、評価面談や紛争の仲裁で、相手の言い分をそのまま受け取ってはならないことは多い。見分けが難しいことを自覚したうえで、時間をかけて確かめる謙虚さこそが、判断の誤りを減らす出発点になる。

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