人物志 / 英雄
夫草之精秀者為英,獸之特群者為雄;故人之文武茂異,取名於此。是故,
新字:夫草之精秀者為英,獣之特群者為雄;故人之文武茂異,取名於此。是故,
書き下し
夫れ草の精秀なる者を英と為し、獣の群に特なる者を雄と為す。故に人の文武茂異なるは、名を此に取る。是の故に、
現代語訳
そもそも草の中で精華が秀でたものを英といい、獣の中で群を抜いたものを雄という。だから人の中で文武に秀でて並外れた者は、ここから名を取っている。それゆえ、
解説
英雄篇の冒頭で、「英雄」という言葉の語源を説く。英は草の花のうち最も精華の秀でたもの、雄は獣の群れの中で抜きん出たものを指し、人のうち文武に秀でた者をこの二字で呼ぶという。続けて、聡明に秀でた者を英、胆力に優れた者を雄と定義する。劉劭は英雄を一語の称号としてではなく、知と勇という二つの要素の組み合わせとして分析しようとする。三国時代は曹操・劉備らが英雄と呼ばれた時代であり、英雄とは何かは同時代の切実な問いだった。現代でも、優れたリーダーを一括りに語るのではなく、構想する力と実行する力とに分けて見ることで、自分や他人に何が足りないかが見えてくる。
関連する章句
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人物志・英雄是を以て、英は其の聡を以て始めを謀り、其の明を以て機を見、雄の胆を待ちて之を行ふ。雄は其の力を以て衆を服し、其の勇を以て難を排し、英の智を待ちて之を成す。然る後に乃ち能く各其の長ずる所を済す。若し聡能く始めを謀りて、明機を見ざれば、乃ち以て坐論すべくして、以て事に処すべからず。聡能く始めを謀り、明能く機を見て、勇行ふこと能はざれば、以て常に循ふべくして、以て変を慮るべからず。若し力能く人に過ぎて、勇行ふこと能はざれば、以て力人と為すべくも、未だ以て先登と為すべからず。力能く人に過ぎ、勇能く之を行ひて、智事を断ずること能はざれば、以て先登と為すべくも、未だ以て将帥と為すに足らず。
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人物志・英雄聡明秀出するを、之を英と謂い、胆力人に過ぐるを、之を雄と謂う。
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人物志・英雄此れ其の大体の別名なり。若し其の分数を校ぶれば、則ち牙(たが)ひに則ち須ち、各二分を以てし、彼の一分を取りて、然る後に乃ち成る。何を以て其の然るを論ずる。
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人物志・英雄然らば則ち英雄の多少は、能く自ら勝つの数なり。徒だ英にして雄ならざれば、則ち雄材服せず。徒だ雄にして英ならざれば、則ち智者帰往せず。
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人物志・英雄故に英は以て相と為す可く、雄は以て将と為す可し。
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人物志・英雄韓信是れなり。体分同じからず、多きを以て目と為す、故に英雄は名を異にす。然れども皆偏至の材にして、人臣の任なり。
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