孫子 / 始計篇
故校之以七計而索其情,曰:主孰有道?將孰有能?天地孰得?法令孰行?兵眾孰強?士卒孰練?賞罰孰明?吾以此知勝負矣。
新字:故校之以七計而索其情,曰:主孰有道?将孰有能?天地孰得?法令孰行?兵衆孰強?士卒孰練?賞罰孰明?吾以此知勝負矣。
書き下し
故に之を校ぶるに七計を以てして其の情を索む。曰く、主孰れか道有る、将孰れか能有る、天地孰れか得たる、法令孰れか行わる、兵衆孰れか強き、士卒孰れか練れたる、賞罰孰れか明らかなる、と。吾此を以て勝負を知る。
現代語訳
そこで七つの項目で比べ合わせ、その実情を探る。すなわち、君主はどちらに道があるか。将軍はどちらが有能か。天の時と地の利はどちらが得ているか。法令はどちらがよく行われているか。兵力はどちらが強いか。兵士はどちらがよく訓練されているか。賞罰はどちらが明確か。私はこれによって勝敗を知るのである。
解説
七つとも「どちらが」という比較の形になっているのが肝である。自軍が強いかどうかではなく、敵と比べてどうかを問う。絶対値ではなく相対値で測るという宣言だ。項目の並びにも意味がある。君主の道、将の能力、天地、法令、兵力、練度、賞罰。上から下へ、抽象から具体へ降りていく。しかも兵力は七つのうち五番目でしかない。規模は決定要因ではないという判断が、順序に表れている。事業の競争分析にそのまま使える形をしている。市場規模やシェアを先に見る人は多いが、孫子の順序では経営者の筋の通し方、責任者の力量、時流と立地が先に来る。最後の賞罰孰明も見落とせない。評価が明確かどうかは、組織が動くかどうかを決める。
この章句が説くこと
七計分析事前分析比較評価相対
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