人物志 / 利害
其功足以運籌通變。其退也,藏於隱微。其為業也,奇而希用,故或沉微而不章。智意之業,本於度原,其道順而不忤。故其未達也,為眾人之所容矣;已達也,為寵愛之所嘉。其功足以讚明計慮。
新字:其功足以運籌通変。其退也,蔵於隠微。其為業也,奇而希用,故或沈微而不章。智意之業,本於度原,其道順而不忤。故其未達也,為衆人之所容矣;已達也,為寵愛之所嘉。其功足以讃明計慮。
書き下し
其の功は以て籌を運らし変に通ずるに足る。其の退くや、隠微に蔵る。其の業為るや、奇にして用ゐらるること希なり、故に或いは沈微して章らかならず。智意の業は、度原に本づき、其の道は順にして忤はず。故に其の未だ達せざるや、衆人の容るる所と為り、已に達するや、寵愛の嘉する所と為る。其の功は以て計慮を讃明するに足る。
現代語訳
(術家の)功績は、はかりごとをめぐらし変化に通じるに足る。退いたときは、人目につかない所に隠れる。その業というものは、奇抜で用いられることがまれなので、沈んで目立たないままのこともある。智意の業は、人の意向を推し量り探ることに基づき、その道は人に順って逆らわない。だからまだ世に出ないうちは多くの人に受け入れられ、世に出てからは寵愛する主君に褒められる。その功績は、計略や思慮を助けて明らかにするに足る。
解説
術家の業の功と弊、そして智意の業の利を述べる。術家の功は策をめぐらし変化に通じることにあり、退けば隠れて目立たない。その業は奇抜で用いられることがまれなので、埋もれたままのこともある。智意の業は、人の意向を推し量ることに基づき、逆らわずに従うので、無名のうちも周囲に受け入れられ、登用されれば主君に気に入られる。その功は計略を助けて明らかにすることにある。ただし続く文で、智意の弊は進むを知って退くを知らず、正道を離れて保身に走ることだと戒められる。上に好かれやすい人材ほど、その裏面に注意が要るという、現代の人事にも通じる警告の前段である。
関連する章句
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