人物志 / 利害
其蔽也,知進而不退,或離正以自全。
書き下し
其の蔽たるや、進むを知りて退くを知らず、或いは正を離れて以て自ら全うす。
現代語訳
その弱点としては、前に進むことばかり知っていて退くことを知らず、あるいは正道から外れてでも自分の身を守ろうとしてしまう。
解説
前に進む勢いや意欲だけは強いのに、身を引くべき場面を見極められず、追い詰められると保身のために正道を踏み外してしまう弱さが指摘されている。うまくいっている間は勢いに乗って進み続けられても、状況が悪化したときに潔く退く、あるいは苦しくても筋を通すという選択ができるかは別の資質である。追い込まれたときにこそ、その人の本当の芯が見えるとも言える。進む勢いだけでなく、退くべきときに退ける柔らかさを備えているかは、折に触れて確かめておきたい。
この章句が説くこと
保身の弱さ退く勇気正道からの逸脱
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