人物志 / 體別
雖教之以學,材成而隨之以失;雖訓之以恕,推情各從其心。
新字:雖教之以学,材成而随之以失;雖訓之以恕,推情各従其心。
書き下し
之に教ふるに学を以てすと雖も、材成りて之に随ふに失を以てし、之に訓ふるに恕を以てすと雖も、情を推すこと各其の心に従ふ。
現代語訳
(偏った才の人に)学問を教えても、才が出来上がるとともに欠点もそれに伴い、思いやり(恕)を教えさとしても、人の情を推し量るのはそれぞれ自分の心のままにする。
解説
體別篇の結論部で、偏材の性は教育によっても移し変えられないという劉劭の人間観がはっきり出る一節である。学問を教えれば才は成るが、欠点もその才に付いてくる。恕すなわち思いやりを説いても、人は結局自分の心を基準にして他人の情を推し量る。直後に、信じる者は人を信じ、偽る者は人の偽りを疑うと続く。儒家の教化論に比べて冷静で、性の違いを前提に人を配置する法家的な実務感覚がうかがえる。現代でも、研修で人の性格そのものは変えにくい。変えにくいものを無理に直すより、その人の型に合った場所に置くほうが成果につながるという示唆として読める。
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